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王立マギアルス学園5
「シオンのその不幸体質は、人のそれじゃない」
「人のそれじゃないって言われても……」
「本当はこのまま、一人の男の子として、生きてほしかった。でも、ファントムが見えるようになった以上は、自力で対処できるようにもなってほしい」
「ご、ごめん……飛躍しすぎてて、話がよくわからないんだけど」
「ごめんね。でも、何も聞かずに一緒に来て」
ユキナは扉を閉め、扉の前に手をかざす。
「ゲート」
そう唱えると、扉の色が茶色から白に変化した。
「来て、シオン」
そう言いながら、手を引かれ、扉の向こうへ連れてかれる。
扉の先は、見覚えのある空間。
数年前までは、何度も来たことがある部屋。
「ここって……」
「私の部屋」
「でも、さっきまで僕の────」
「そう、シオンの部屋にいた。でも今は、私の部屋」
「ユキ姉は、魔法使いか何か?」
ユキナは、ふふっと可愛らしい笑みを見せる。
「魔法使いか。うん、わかりやすく言えば、そうなるね」
「違うの?」
「そうだね。具体的に言えば、魔導士かな」
「魔導士って、あの悪者扱いされたりする?」
「それはほら、空想と現実は違うってことで」




