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王立マギアルス学園4
何が何だかよく分からないまま時が流れた。
あの後、家まで見送られた。
ユキナは生徒になってという話はしたものの、その他の話は一切してくれない。
あの姿の理由も。
あの黒い道化についても。
何も答えてくれなかった。
聞く度に話を誤魔化された。
二人だけのシフトの際に聞いても何も答えてくれなかい。
ある日、何にもない土曜日。
バイトの給料はあるものの、どこかに出かける理由も目的も無く、ずっとベッドの上でユキナの事を考えていた。
結局、いつも助けて貰ってばかりだ。
幼い頃から臆病な自分を引っ張ってくれたユキナ。
人としての憧れであり、自分とは全く違う世界に生きているような人。
時が過ぎるにつれて、距離ができた。
シオンは枕に顔を埋める。
「何してるの?」
ガバッと、顔を起こし、声がした方を向くと、ユキナが扉を開けて立っていた。
「え、ユキ姉……どうして?」
「ん? 例の話をしにね」
例の話と聞き、一瞬思考を巡らせ、すぐに理解する。
「シオン、今まで自分があまりに不幸体質過ぎるって思わない?」
考える理由も無く、シオンはすぐに頷く。
「私は今までシオンを監視していたの」
「か、監視? な、なんで?」




