表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

プロローグ4

否、いないわけではない。

最初から、そこに立っている。

無傷で。

微動だにせず。

そして、吹き飛ばされていたのは、三人の方だった。


「ぐ、あっ……!?」


魔術師が、背中から地面に叩きつけられる。

精霊術師が、召喚した精霊ごと弾き飛ばされる。

呪術師が、呪いに縛られたまま膝をつく。


互いの攻撃を、まともに受けていた。


「なんで……!」


魔術師の放った一撃は、本来狙ったシオンではなく、精霊術師へ。

精霊術師の攻撃は、呪術師へ。

呪術師の呪いは、魔術師へ。


まるで最初からそうなることが決まっていたかのように。


魔術は精霊術へ。

精霊術は呪術へ。

呪術は魔術へと─────不利な相手へ、正確に流れていく。


「違う……こんなの……!」


誰かが叫ぶ。


「狙いは、確かにあいつだったはずだろ……!」


外れてなどいない。

誤射でもない。

誘導されたわけでもない。


結果だけが、すり替わっている。


シオンは、ゆっくりと瞬きをした。


「当たったよ」


静かな声。


「ちゃんと、()()


その言葉に、空気が凍る。


一歩、前に出る。


理解が追いつかない。


攻撃は当たった。

だが、当たっていない。


矛盾が、そのまま現実になっている。


シオンは、三人を見渡す。


その瞬間、三人は悟った。


これは回避でも、防御でもない。


“干渉”ですらない。


もっと単純でもっと致命的な何か。


未来を変えたのではない。

過去を弄ったのでもない。


ただ、結果だけを選び直した。


それだけで、全てが覆る。


三人の身体が、限界を迎える。


不利な相手の攻撃を、まともに受けた代償。

耐えきれるはずもなく、膝が崩れ、意識が落ちる。


ドサリ、と音を立てて倒れた。


静寂が、広がる。


残されたのは─────


最初から一歩も動いていない、シオンだけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ