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王立マギアルス学園17

理解が追いつかないまま、ユキナは生徒の腕に治癒魔術を使う。

術式を構築する中で思考を巡らせる。

一瞬。

確かにシオンは顔を殴られたはず。

だが、実際起きていたのは、この生徒がナイフで腕が千切れるぐらい刺していたことだけ。

それにこの刺し傷はすぐに出来たもの。

血が固まらず、溢れ出ているところからそれだけは確証を持てる。

シオンは何も使えないはず。

だが、誰かに干渉されていたのなら、気づかないはずがない。



目が覚めるとそこは、書斎だった。

壁一面の本棚。

そして、部屋の中央には、光沢のある黒の大きな机と椅子。

壁の本棚に近づくと、そこにあったのは、本棚ではなく、アルバムだった。

触れようとすると、


「触るな!」


と、大声で何者かに怒鳴られた。

声がした方に目を向けると、自分と瓜二つだが、少し荒々しい風貌の青年がいた。


「君は?」

「答える必要はない」

「ここは?」

「そのうち目覚める」

「答えになってない……」

「そんなにどこか知りたいのか?」

「うん……あ、ユキ姉が────」

「安心しろ。そいつは無事だ」

「そ、そっか」


シオンはそっと、胸を撫でおろし、安堵の表情を浮かべる。

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