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王立マギアルス学園16
「お? 怖いか? 目を瞑っちゃってよぉ!」
「やめなさい!」
間に入ろうとするユキナだったが、すぐに足を止めた。
「……黙れ」
シオンがどすの利いた声。
「なんだとゴラァ!」
振りかざされた拳がシオンに直撃する。
だが次の瞬間、生徒がナイフで自身の腕を刺していた。
それも一度ではなく、20回は刺し、腕がもうすぐ落ちそうになるほどの傷だった。
「あがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
生徒の断末魔が響き渡る。
確かにシオンを殴った。
それは確かだった。
だが、瞬きしたその一瞬で生徒が自身の腕を傷つけていた。
「や、やめなさい!」
ユキナは即座に生徒からナイフを取り上げる。
ユキナの中で様々な考えがよぎる。
魔力も呪力も霊力も感じなかった。
何かしたようにも思えなかった。
気が付いたら、生徒が自傷を繰り返していた。
「────二度と近づくな」
そういうと、糸が切れた人形のようにシオンは倒れる。




