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王立マギアルス学園15
「適性ゼロの落ちこぼれ、わざわざ個別指導とか優しすぎじゃね?」
シオンの肩がびくりと震える。
「彼は私の生徒です。それ以上でもそれ以下でもありません」
「へぇー?」
わざとらしく覗き込む。
「じゃあさ、なんでそんなに距離近いわけ?」
視線が、ユキナとシオンの間を舐めるように動く。
「二人きりで指導とか……なに教えてんの?」
その言い方に、空気が濁る。
「……やめなさい」
低く、抑えた声。
だが男は止まらない。
「いいよなぁ、先生って。好きな生徒だけ特別扱いできてさ」
さらに一歩踏み込み、ユキナのすぐ目の前まで距離を詰める。
「俺にも個別で“教えて”くれよ」
わざと強調した言い方だった。
「あの!」
シオンは立ち上がり、声を上げる。
「シオン君?」
シオンは生徒に目線を合わせる。
「先生困ってるのでやめてもらえませんか」
「なんだよ、いい子ぶりやがって」
生徒はシオンの胸ぐらを掴み、顔を近づける。
そして、腕を振りかざす。
(────少し代われ)
「え?」
すると、視界が一気にぼやけ瞼を閉じる。




