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王立マギアルス学園11
苦虫を噛み締めたようにしわを寄せ不満の表情を見せる。
「そもそも、僕らが本気になる時は、この世における厄災が降りかかる時だけだ」
「えぇ、わかってます」
しばらくして、シオンは書類の束を書き終えた。
「お疲れ様。じゃあ、最後に手を出して」
「はい」と、短く答え手を学園の前に出す。
学園長がその手を握ると、二人の周りを囲うように魔法陣が浮かび上がる。
すると、魔法陣が地面から頭上まで上がっていき、虚空に消えていった。
「「え?」」
学園長とユキナは目を大きく見開く。
「どうか、しましたか?」
「い、いや、何でもない」
再び、魔法陣が地面に現れ、頭上まで上がっていき、虚空に消えていった。
「うん、シオン君と言ったかな」
「はい。何か問題あったんでしょうか」
「君、全ての術式適性がないんだよ」
「え? どういう事ですか?」
「普通、産まれてすぐの赤ん坊でも、魔力、呪力、霊力のいずれかはあるんだけど。君には、それら全てが無いんだよ」
「さっき、カンナって言う人にも似たような事を言われました」
「あぁ、彼女か。なら、確実か」
彼女の名前を出した途端、疑いも無く、すんなり受け入れた様子だった。




