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プロローグ
巨大なアリーナで多くの生徒が集まり、その時を今か今かと待つ。
実況席の女子がマイクを手に取り、高らかに声を上げる。
「さぁ! 始まりました! 実況は私、魔術専攻二年の写真部の泉ナナが務めさせていただきます!
学園祭目玉行事の三術合同戦開幕です!」
地鳴りのような拍手と歓声が、アリーナを揺らした。
「まずは注目選手の紹介です!」
「魔術専攻二年──飛鳥イオナ!」
「呪術専攻三年──楔マコト!」
「精霊術専攻二年──天音カズサ!」
名前が呼ばれるたび、歓声が跳ね上がる。
ナナが一拍ためて、声をさらに張り上げた。
「そしてそしてぇ! 今回のダークホース! 魔術専攻一年! 天城シオン!」
実況席のナナは、手元の資料を読み上げる。
「えぇっと、天城シオンさんは、魔術適正、精霊術適正、呪術適正……え、マジ? 全ての適性が無いようです! 前代未聞の適正無しの生徒。いったいどのような戦いを見せてくれるんでしょうか! 学園長はどう思いますか?」
一瞬ざわめきが走る。
「いやーこればかりは、私自身も想定してないよ。でも彼は、何か異質であることだけはわかるね」




