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皇剣 〜ローマ戦乱記〜  作者: 辰桃
第二章 帝都の影
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第七十話(第87話) 暴かれた繋がり

いや〜、ついに出ましたね! 議員と影の同盟の繋がり。

ここまで来ると、帝都の空気は完全にひっくり返りつつあります。

広場で扇動者の覆面が剥がされ、議員の顔が露わになった瞬間――帝都は揺れた。


「議員が……影の同盟に……?」

「俺たちを煽っていたのは、民を守るはずの者だったのか!」


民衆は驚愕と怒りに包まれ、声は渦のように広がっていく。

「もう信じられん! 元老院そのものが腐っている!」


——


元老院の議場では、その報せを受けた議員たちが動揺していた。

「何ということだ……!」

「一人の裏切りで、我ら全員が疑われるぞ!」


その中で、影の同盟と繋がる者たちは必死に声を張り上げた。

「罠だ! 狼の芝居に違いない!」

「我らを貶めるための陰謀だ!」


しかし声を張れば張るほど、疑念は強まっていった。


——


兵営。

ルキウスが報告を持って駆け込んだ。

「隊長、民衆はあなたを支持する声を強めています!

影と元老院の癒着が明るみに出たことで、狼こそ真実を語る者だと!」


クラウディアは険しい顔で地図を指差す。

「でも安心はできない。影の同盟は必ず“次の一手”を打つ。

自分たちの繋がりを隠すために、もっと大きな混乱を仕掛けるはず」


ヴァレリアが剣を壁に叩きつけ、笑った。

「ならその影を引きずり出せばいい。

狼の牙で、もう隠れ場なんて残さない」


カエソは仲間を見渡し、ゆっくりと言った。

「腐敗は帝都の根に絡みついている。

次はその根を断ち切る戦いになる。……この都そのものを守るためにな」


——


【解説】

古代ローマでは「一人の裏切り」や「一部の癒着」が発覚すると、元老院全体が疑われることがありました。

民衆は常に政治家の腐敗を疑い、それが暴動や政変の火種となったのです。

今回の展開は、その史実を踏まえ「一人の議員が影と繋がっていた」という衝撃を利用しています。

狼の言葉が真実を帯び、市民は支持を強めました。

ですが、影の同盟がこのまま黙っているわけがありません。

次回は彼らが仕掛ける“さらに大きな罠”が動き出します。

いよいよ第二章もクライマックスへ――どうぞお楽しみに!

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