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皇剣 〜ローマ戦乱記〜  作者: 辰桃
第二章 帝都の影
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第三十四話(第51話) 運命の衝突

いよいよ戦いは佳境。

カエソたちの突撃とサフラの鉄槌が正面からぶつかり合いました。

ルキウス、クラウディア、ヴァレリア、それぞれの戦いぶりも熱く描けたと思います。

砂漠に響く咆哮と蹄の轟音が重なり合い、戦場はまさに地獄と化していた。

サフラの鉄槌が迫り、ローマ兵たちは正面からそれを迎え撃つ。


「全軍、突撃だ!」

カエソが剣を掲げると、兵たちは一斉に吠え、敵陣へ突き進んだ。


——


敵の槍とローマ兵の剣が激突する。

金属の衝撃音が砂漠に響き、砂煙の中で火花が散る。

倒れ、血を流す兵が次々と地に沈む。

だが誰も止まらなかった。


ルキウスは盾で突撃してきた騎兵を押し潰し、巨腕で敵兵を吹き飛ばす。

「邪魔だぁあ!」

その雄叫びはまるで猛牛。


クラウディアは剣を振るい、的確に敵兵の喉や関節を狙う。

「止まりなさい!」

彼女の刃が敵陣に裂け目を作る。


ヴァレリアは影のように走り、敵将の周囲を翻弄する。

「……ここだ」

双剣が閃き、騎兵の脚を斬り裂いた。


——


そして戦場の中央。

カエソは全身を血に染めながらも突撃を続け、目の前の敵を次々と斬り倒す。

その姿は兵たちにとってまさに「狼王」のようだった。


「うおおおっ! 続けぇええ!」

兵たちはその背中に続き、倒れては立ち、立っては斬り続ける。


——


高台からその光景を見つめるサフラ。

「……ここまでとはな」

彼の表情には、わずかに驚愕が浮かんでいた。

「激情に任せるだけの若者と思ったが……兵をまとめ、戦場を動かす力を持っているか」


だが、彼の瞳に再び冷徹な光が宿る。

「だからこそ、ここで潰す」


サフラの指示が飛ぶ。

敵陣の奥から、新たな部隊が動き出した。

それは重装の歩兵隊。

騎兵の突撃に合わせて、じわじわとローマ軍の側面を削ろうとしていた。


——


「……まだ隠していたか」

カエソは苦笑し、血に濡れた剣を強く握り直す。

「上等だ。全部ひっくり返してやる」


砂漠の中央で、両軍の力が真っ向からぶつかり合おうとしていた。

運命の衝突は、もはや避けられなかった。

「激情」と「知略」、二つの力が戦場で激突する回となりました。

サフラもついに本気を出し、隠していた重装歩兵を投入。

次回はいよいよ、この死闘に決着の兆しが見えてきます。


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