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皇剣 〜ローマ戦乱記〜  作者: 辰桃
第二章 帝都の影
21/97

第四話(第21話) 路地裏の追走

今回は純粋なアクション回。

狭い路地での追走、暗殺者との近接戦、そして増援の出現による緊張感の高まり──

帝都では、情報を探るだけで命がけになります。

湿った石畳に靴音が響く。

カエソとルキウスは狭い路地を全力で駆け抜けた。

背後から迫る足音は二人分──いや、増えている。


「三人……いや、四人だ!」

ルキウスが振り返りざま短剣を投げる。

金属音と短い悲鳴が夜に溶け、足音が一つ減った。


「角を曲がれ!」

ルキウスの指示で右へ飛び込み、二人は市場跡の広場に出た。

月明かりに照らされたその場で、三人の黒装束が立ちはだかる。

それぞれ短剣や棍棒を構え、迷いなく間合いを詰めてきた。


「こいつら、普通の追っ手じゃないな」

カエソは低く呟くと、一人の突進を盾代わりの左腕で受け止め、右手のグラディウスで一閃。

血が石畳を濡らし、残り二人が躊躇なく包囲を狭める。


ルキウスは背後から回り込み、一人の背中に刃を走らせた。

残った最後の男は、距離を取ると腰から小さな筒を取り出し、口元に当てる。


「伏せろ!」

ルキウスの声と同時に、鋭い笛のような音が響く。

次の瞬間、路地の奥からさらに数人の影が現れた。


「増援か……!」

カエソは息を整える間もなく、ルキウスと背中を合わせた。

狭い市場跡が、たちまち刃の林となる。


「逃げ道は一つだけだ」

ルキウスが視線を向けたのは、古い排水路の入口。

闇の奥へ続くその穴は、人一人がやっと通れるほどの狭さだった。


「……行くぞ!」

二人は同時に駆け出し、影たちが追いすがる中、排水路の暗闇へと飛び込んだ。

この戦闘は単なる暗殺未遂ではなく、明確にカエソとルキウスを消すための作戦です。

黒幕はすでに動き出しており、その手は元老院や街の裏社会にまで伸びています。

次回は排水路の先での潜伏と、ルキウスが語る“帝都の闇の構造”を描きます。

ブックマークや評価で応援いただければ、さらに濃く緊迫した展開をお届けします。

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