表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/106

復活のシルフィール

 シルフィールはドラゴンの背から飛び降り、僕の前に立つ。


「シルフィールさん。体は大丈夫なんですか?」

「コリンヌの回復魔法と最高級の回復薬を使って、七割程度は復活したわ」


 シルフィールは僕に顔を近づける。


「で、あの魔族はどこ?」

「今、あっちでキナコと戦ってます」


 僕は北の方角を指さす。


「ダグルードは身体能力を上げる鎧を装備してるから、気をつけてください」

「気をつけて……か。Eランクのあなたに心配されるなんて、私も落ちたものね」


 シルフィールは肩をすくめる。


「言っとくけど、人形の自爆攻撃にやられたのは百年に一度の油断だから」

「わかってます。シルフィールさんの強さを疑うことはありませんから」

「……そ、そう。わかってるならいいの」


 シルフィールは緑色の瞳で僕を見つめる。


「まあ、いいわ。私は魔族を殺してくるから。あなたはどこかに隠れてなさい」


 そう言うと、シルフィールは北に向かって走り出した。


 僕は骸骨兵士たちと戦っているアルミーネたちに視線を向ける。アルミーネの隣にはコリンヌがいて、月光の団の団員の数も増えている。


 シルフィールといっしょに来てくれたんだな。なら、僕はダグルードを狙う。キナコとシルフィールをサポートできるかもしれないし。


 僕は魔喰いの短剣を握り締め、シルフィールの後を追った。


 キナコとダグルードは屋根のなくなった神殿の中で戦っていた。

 キナコは左腕から血を流していて、ダークグリーンのズボンが破けている。

 シルフィールがキナコを守るように前に立った。


「ん? お前、生きていたのか?」


 ダグルードが驚いた顔をした。


「当たり前でしょ。あの程度の自爆攻撃で死ぬなんてありえないから」


 シルフィールは双頭光王の刃をダグルードに向けた。


「私の本気を見せてあげる。キナコ、あなたはもう休んでていいから」

「冗談はよせ」


 キナコがシルフィールの隣に移動した。


「酒はなくなったが、俺はまだ戦えるぞ」

「無理しなくていいわよ。私だけでも勝てるから」

「二人ともいっしょにかかってこい!」


 ダグルードが叫ぶように言った。


「お前たちに実力の違いを教えてやる!」


 黄金色の剣が具現化し、それをダグルードが掴む。


「死んで後悔するがいい!」

「それは私のセリフだから」


 シルフィールがツインテールの髪を揺らして、ダグルードに突っ込んだ。大きく左足を踏み出し、双頭光王を斜め下から振り上げる。

 その攻撃をダグルードは黄金色の剣で受け止めた。

 二つの武器がぶつかり合い、甲高い金属音が響く。


「なかなかいい武器だが……」


 ダグルードは黄金色の剣を振ると同時に体を半回転させ、蹴りを放つ。シルフィールはぎりぎりでその蹴りを避けた。


「どいてろ! シルフィール」


 キナコが地面を這うような姿勢でダグルードに近づき、肉球を突いた。ダグルードは左足を引いて肉球を避け、黄金色の剣を振り下ろす。その攻撃をシルフィールが双頭光王で受ける。


「ならば、これだっ!」


 ダグルードは左手の指をシルフィールに向けた。五本の青白い光線が発射される。シルフィールは両ひざを大きく曲げて光線を避ける。


「肩を借りるぞ!」


 キナコがシルフィールの肩に飛び乗り、高くジャンプした。空中で体をひねりながら、長く伸びた爪でダグルードの首を狙う。

 ダグルードは左足で強く地面を蹴って、キナコの背後に回り込む。


「死ねっ! 猫人族!」


 そう叫ぶと、ダグルードは黄金色の剣を突き出した。キナコは両手の肉球で黄金色の刃を挟む。


「キナコっ! そのまま、剣を掴んでなさい!」


 シルフィールが片膝をついて、双頭光王を真横に振る。

 ダグルードは黄金色の剣から手を離し、シルフィールから距離を取った。

この物語を『面白い』『続きを読んでみたい』『作者がんばれよ』『応援してやるか』など思っていただけたら、ブクマ、評価などしてもらえると、作者が大喜びします。


また、私の作品以外でも、小説家になろうの中で気に入った作品があったら、同じように評価してあげてください。

作者は、こういうことで喜び、モチベがあがるので。


この文章の広告の下の☆☆☆☆☆が評価する場所です。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ