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週末ダンジョン

21


ガコン



大きな音とともにトビラOPEN!

今回はたまたまなのか順番待ちしてるパーティとかはいなかったので自由です。

サクッと終わるってことかな?

相変わらずトビラは強制的に閉まるスタイルだよねぇ…。

横スクロールゲームで強制的に進まされるやつを思い出すなぁ…。



「くるぞ」



トビラがしまった瞬間無数の羽音!

それこそどこからともなく、ブゥーン。

ぞわわわわと鳥肌待ったなし!


ゆらりと見えた影に嘘だろ!?と思わず一歩後ずさる。

後ずさる経験なんてなかなかないよ。


それもそのはず、声を大にして叫ぶ。でっか!

小さいって手のひらサイズは小さいとは言わない!!

でも女王蜂でかすぎるから小さいと表現するのもわからんでもない!

女王蜂がわたしとサイズ変わらんとかもうバグだろぉおおお!?



「あー!凍ってー!!!」



何も考えずに冷気の塊をブンっと投げてしまった。

それはもう野球のピッチャーのようにブンっと。



「うおっ」



ひとりじゃなかったんだった!!



「ナッツさんごめん!!」


「構わん、避けるから続けろ!!」



なんてイケメン!惚れてまうやろー!!

いやごめん、惚れないわ。


手当り次第冷気の塊を投げつけまくって凍らせてく途中で気付いた。

やっぱりこのスタイル、少しも寒くないわーな方ですよね!

とか考えてたらなんか出来た。雪だるまが。

あの曲のシーンを想像したからかしら…。でも複数体いるんだよねぇ。

白いからアレだけど、黒かったらアレよ。

すすわたりっつーやつですね。


一瞬考えがそっちに飛んでたら、雪だるまが一斉に雪玉を蜂に向けて投げ出したので、ラッキー!



「すごいぞアキ!」



声に反応して振り返れば、雪だるまが女王蜂にも雪玉投げつけまくってるね!

一体だけならまだしも、それこそ大量の雪だるまに雪玉投げられたら動きも鈍くなるってもんですね。


そしてナッツさんはここぞとばかりに関節狙ってるね。

いくら関節といえども、硬そうだけど。


ちょっと余裕ができて、落ち着いて周りが見られるようになった頃には、女王蜂は倒されたようです。

手のひらサイズの蜂も一斉に消えたからね…。

わたし、虫嫌いだけどなんとかなるやろって思ってたてん。

舐めたらダメですね!

なめたらあっかっんー!

集団だときついものがあるよね!?集団?軍団?

手のひらサイズの蜂が大量よ!?



「終わったな、ほれ宝箱」


「あー…ありがとうございます…。あれ?ナッツさん宝箱ひとつ?」


「ああ、ここはあのボスのだけだからな」



あぁそうなんだ。

へたりこんでると手を差し伸べてくれたのでありがたく引っ張ってもらう。

正直あれだけいて宝箱一つはしょぼくないですか…。


ただまぁ慌てず落ち着いて戦うよう意識しよう。

虫耐性つけよう。そのうちナッツさんに攻撃ぶつけそうだもん…。

それだけはダメだわ。


2人でぺたりと水晶に触って一旦地上に戻る…前に、話をしないと。



「あの、ええと。ナッツさん。わたしは別の世界の人だってのはわかってるんだよね?」


「うん?そうだな。不思議な匂いがするからな。」



不思議な匂いってなんなんですかね。

くさくないならいいけども、自分の匂いはわからないしなぁ。

ナッツさん的には、だからどうした?という感じで、大ごとではないのだとか。

俺も変身できるぞ?すごいことだろう?ぐらいのもので、気にしなくていいとは思う、ただまぁ珍しいとは思うがな、と。

それもう普通じゃないのは明白ですよね。

だってわたしの家のクローゼットから繋がってるんですものね!

一瞬青いロボットのような設定かなってなったけど、あれは机の引き出しだったね!



「あー……珍しいなら内緒で!」


「そうしたいならすればいい。俺はわざわざ他人の秘密なんぞ言わない。」



ありがたいことだわ。


ということで帰還。

地上は雨でした。

ごく普通に当たり前だけど雨降るんだなぁこの世界も。

ここら辺は木もたくさん生い茂ってるから濡れることはほぼないとしても、うーん。

ほかのパーティーは?とおもって周りを見たら、テントを広げているので、それに習うことにしようそうしよう。

いやまてよ?テントの中は私の部屋…?



「あぁ、テントか。してやろう」


「あ、ありがとー」



どうする?と悩んでる間にナッツさんがテントを持って組み立て始めてしまった。

というか普通にナッツさんテント触ってるし設営してるな?手際も申し分ないね。さすがだわ。

試しにテントの中を覗き込んでも普通のテントだな??



「む?この先は…アキの領分だな?」


「え?」



テントの中、もう一つのファスナー。

これなんのため?とおもったら、ほれ、とナッツさんが触ろうにもすり抜けてしまう。

なるほどな!?

わたし?問題なく触れたし開けられたし覗き込んだら我が家ですし。


まー、便利。


解決したのでとりあえずOKです。

今日はもう遅いので、食事をとったらダンジョンは休憩。

とりあえずパンを取り出して軽く焼きます。

そこにレタスをはさみます。

コロッケはさみます。



「はい、どうぞ」


「ふむ?」



んあっと口を大きく開けてかぶりつきます!

うーん、やっぱりソースが欲しい。

しまったなー。

まぁ今日はいいや。

かぼちゃコロッケのあまさがよい。

横を見たらナッツさんも真似てかぶりついて満足そうに頷いている。

おいしいもんねぇ、かぼちゃコロッケ。


さて、ナッツさんと話をする中でこのダンジョンはそこまで大きくないらしいということが判明。

と言っても、今日戦った蜂は10層で、まだ先は続き、折り返してもいないと。

こりゃ今週末だけでは無理だなと計画を改める。

しばらく週末はダンジョン攻略を進めて、平日は薬草とか収穫と食事ストックとポーションつくりになりそうだ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] こういうシンプルにヒロインがチート無双して、出てくるキャラにも中高生の女の子とおっさんばかりじゃなくていろんな人がいる話、 探してもありそうでないので読めてよかったです。 クローゼットから…
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