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ガンガンいこうぜ

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「薬師殿、食事は持ってきているか?」



なければ、と差し出されたのは出ました!干し肉!

ジャーキーっぽいやつ!

これかったいんじゃないの?

あれでしょ、森に住んでる姫様がぶっちぃ!て引きちぎって食べるやつ。

わたしどうせならパンに固焼きの目玉焼き乗ってる方がいいなぁ……今度提供する側になろう、うん。



「あー……ありがとうございます。一応持ってるので」



自分たちで用意したものを貰うのも申し訳ないので、気持ちだけ。

だってマジックバッグにはたくさんの食料!!

でも実はそんなにお腹すいてないんだなー。

とりあえずクッキーをひょいぱくですよ。

うっま。自画自賛する。うっま。

ただ水分よね。口の中の水分持ってかれる感じね。

実は嫌いじゃない。

もっさりするの、ちょっと好き。調子乗るとむせるけど。

魔力水ぐびっと。


振り返るとまた見られてる。なんだ。つぎは。



「それだけか?」


「あー、いまそこまでお腹すいてなくて……変に食べちゃうと動きにくくなりますし」


「そうか……ちゃんと食べてるか?」



なんだこの親戚のおじちゃん的な……

あれか?わたしすごく若く見られてる?

そんなこたぁない?



「大丈夫ですよ、結構食べてます」


「そうか……じゃあとりあえず行ってみようか」



周りの冒険者のお前その格好で行くの?ていう心の声が聞こえるようだわ……。

とりあえず促されるまま洞窟に足を踏み入れるとぐにゃり?とした感覚で空気が変わった。

なんって言えばいいのか……本当にぐにゃりと…あれよ、貧血の時の立ちくらみ的な。

お?てなった瞬間まず気温が違う。

洞窟のひんやりした感じ。でもじめっとしてない。

お肌乾燥しそうだわー!て感じ。


ローブのありがたみ実感する。

なかったら寒いなこれ。

そして薄暗い。

この暗さの中戦うの?というかこの暗さだとゴースト系でてくるのでは?



「どうだ?ダンジョンは」


「えーと…素直に言うなら、薄暗くて寒いですね。これ、明かりはこのままですか?」


「いや?この光の魔石に魔力入れて照らすんだ」



なるほど?

乱雑なカットの宝石っぽいものに魔力が流し込まれるとキラキラと乱反射して明るい。

ここだけみるとロマンチックだわ!

だけどそれなら光の玉で照らしちゃえばいいじゃん?



「よっと、ひとつ……ふたつでいいか」


「…………あかる……」


「いや、ルーシィ殿に聞いてたけど……規格外過ぎるな」



とりあえず先頭と1番後ろにふわふわと飛ばしておく。

足元見えるし大丈夫。

で、ひとまず説明されたのは、ここはモンスター倒すとドロップ出して消える。

そして一定時間で湧く。

無限オカワリですねわかります。

レベルアップもってこいなやつね。

あと潜ればボス部屋があり、討伐するとその部屋から次回進められると。

便利設計。

あと他の冒険者に会うこともあるが、基本的に交戦してたらスルー。

取った取らないにならないように、とのこと。

ただ負けそうとかピンチな場合は声をかけて手助けすることもある。要するに臨機応変じゃねぇか。

試されるわ。

そして敵をなすり付けるのもNG。

まぁそりゃそうだわな。

ドロップしたもののランクはランダム。

ただ、綺麗に倒した方がいい物が出るらしい。

お肉と一緒かな?



「で、パーティの場合はドロップを最後に分けるって感じだな、ただ今回は俺たちがくっついてきてるから、欲しいものは全て薬師に渡す形にしようと思う」


「えー……一応そこら辺は話し合いにしましょ、ダンジョン一日半だけのつもりですし」


「む、それでいいなら……」



ゆらゆら虎しっぽをゆらして思案してるようだけど、別にそこはね。

贔屓してもらわなくてもいいかなっていう。



「ちなみにこのダンジョン強さはどんな感じです?」


「そうねぇ……」



弓使いさんがんー、と考えてるんだけど、その姿だけでもどこぞの絵画よ????てくらい美しい。罪だわ。

とりあえず森のカウカウ問題なく倒せるなら大丈夫なはずよ、とバチコーンとウインク付きで返事が来た。

きゅんです!美!



「では遠慮なく」



仮にもダンジョンと言えども洞窟ですし、火はやめておこう。

酸欠とか怖い。

水もちょっとなぁ……つるっとすってんころりんしたくない。

氷こそすってんころりんだし寒さ倍増で風邪っぴきとか?

やっぱり風か?

うーん、いやむしろそのまま光か?

いやいっそ闇的な??闇……にしてみようか?

現在のスタイル黒魔術師だしね!?

洞窟の暗さより暗い色の弾丸、スタンバーイ!



「反する力を両方展開するとかもう……」


「なんでいままで噂にならなかったのか……」



スマートウォッチではダンジョンが歩いたところしか表示されず……

なるほど埋めろということかい?

とりあえず埋めるのは一人で来た時にしようかなぁ

今日はどこまで潜れるか……?

……うん



「ここって、どこまで下に続きますか?」


「それがまだわかっていないのよ」


「あ、そういう感じなんですね」



じゃあとりあえずひとつめのボスまで進んでみる、を目標に行こう。

丁度まっすぐ進んだところに赤丸反応ありだし、他の反応ないし。



「では、行きます!進行方向に反応ありなんで」


「え?なに探索系もあるの?」


「えぇまぁ、」



すいっと指を動かして光の玉を先行させるとゆらりと動く影。あれかぁ……あ、ゲームでよく見るゴブリンだ。じゃあもう遠慮なくこっちに気づいたみたいだし、いけ弾丸!

お、ヒットして倒すとキラキラエフェクト!

あと宝箱だ。

これ大量の敵が出た時開けるのめんどくさそうだな。



「しゃべりながらしれっと倒していくスタイル……」


「物語の主人公にでもなるのかな……」


「ははは……とりあえず宝箱あとでまとめて開ける感じでいいですか?進みたいので」



ぶっちゃけどの程度まで行けるかわからないからガンガンいこうぜ!としておきたい。

日を改めてゆっくりまわりたい。

平日は仕事だし。

いけいけどんどん!





というわけで、目の前にはサイズ間違ったの?ていうくらい大きなトビラ。

ボスです!て感じするわ〜。



「薬師殿、冒険者しよう?な?」


「ははは」


「また笑って流してる〜」



ガンガンいこうぜよろしくしてたら、途中から冒険者しよう?とひたすら勧誘されてる。

別にしたくない!と頑なに拒否してる訳ではなく、ただ単に冒険者ってかなんでもいろいろやりたいから、「冒険者!」と、言い切りたくないんだよなー。

ゆるく生きてるなんか変な人的な……。

魔女的な?いまの姿なら。

どうせならクロネコのお供とでっかい赤リボンしてデッキブラシいるかな……。


で、いまは小休憩。

念の為の怪我などのチェックと水分補給などなど。

見つけたそばから闇弾丸飛ばしてたから怪我はないんだけど、まぁほら一応体力的なね。

2時間くらい?かかってんのかな?

ほかのパーティいないなー?て思ってたら、ボス部屋前に何組か。

順番待ちみたい。

バーン!!て音がして、なんだ?と振り返ったら怪我しまくりのパーティがボス部屋から雪崩るようにでてきた。

わお。大丈夫かね?

さっと虎しっぽが視界を横切ったと思ったらすでに部屋から出てきたパーティのところにいた。

さすが虎。ラウルさん早い。

あとね、ぶっちゃけイケメン。

切れ長の目がまた虎耳とよく会う。ぐあって口開けた時の八重歯と!

まじであんな恋愛ゲームに出てくる感じのイケメンて存在するのね。



「おい!大丈夫か!?」



ひょっと覗き込んだら結構ぐったり。

おっふ流血。

んん……たぶん治癒魔法的なのが早いんだけど他にも人いるしとりあえずポーション飲ます一択。



「はい、飲めそうですかね?」



味よし効果よし!

自信作だぜ!?と、ラウルさんに渡すとすぐさま飲ませようと蓋を外す。

虫の息の人にポーション飲ますってなかなか…。

お、おぉ…なんだかんだ喉動いてるから飲んでる?かな?



「う……」


「あぁよかった、傷もふさがったな」



ほお?

あ、ほんとだ。

続けざまにほかの人にも飲ませてるけど、我ながらよく効くのね。

しかし大きな切り傷だけど、ボスなに?

入った瞬間手榴弾とかロケラン的なのがいるやつ?

うぬぬ……防御……壁紙……土?

え、両手叩いて対象に触れたらできたりする?

うーん……いや、とりあえずこの人たちの様子見が先だな!



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