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第9話

◯シャルム鉱石◯

 あらゆる素材を結びつける魔法鉱石。

 主に錬金の素材となる。


◯エクセント鉱石◯

 マグマの近くで採掘される、常時熱を持った魔法鉱石。主に錬金の素材となる。

 

◯鉄鉱石◯

 中に鉄を含有する鉱石。単体で錬金すると汎用性に富んだ金属を生成できる。


◯レッドドラゴンの鱗◯

 火竜であるレッドドラゴンから剥ぎ取った鱗。汎用性が高く、武器や防具に使用されることが多い。


◯ラビランの砂◯

 ダンジョン内で稀に見つけることのできる、白く光り輝く魔法の粉。錬金の素材では最高峰に位置するほど希少なもの。



「おお……何やら凄そうな素材ばかりだな……」


 俺は袋に入っていた素材全てに『鑑定』を発動させると、それぞれにステータスプレートが表示された。


 しかし、錬金のレシピのようなものはないのか?素材だけ用意されても全くわからんぞ?


「まあいいや、適当にやってみよう……『錬金』」


 俺は机の上に広げた素材に向けて錬金を発動した。

 すると、素材が光を浴びるように明るく輝き出した。その明るさは目も開けていられないほどだった。


 数秒経つとその光も収まり出し、机の上にはいくつか減った素材と、一つの小さな袋がのっていた。


 素材はシャルム鉱石、エクセント鉱石が一つずつ、そしてラビランの砂も少し減っていたようだった。おそらく、この小袋に入ったものを作るのにこの3つの素材が必要だったのだろう。


「えーと、結局何ができたんだ?」


 俺は『錬金』でできた小袋に向けて『鑑定』を発動した。



◯魔法の肥料(レベル5)◯

 肥料としては最高峰に位置する特別な肥料。ひとつまみ程度を耕した畑に撒くと、その畑は3年間作物の育つ速度、収量、品質が大幅に上がる。



「いやいやチートすぎるだろう!」


 もともとこの世界の作物は、育つスピードもかなり早いと思っていた。木箱に入っていたコブルコなんて10日ほどで収穫ができるそうだし。

 そんな作物がさらに早く育ってしまうなら2日や3日そこらで収穫できるようになってしまうんじゃないか?


 ……カミラのやつ、これを作らせるためにこの素材を入れてたんじゃないか?


 あいつにとっては作物もたくさん食べられるし何より1日でも早く美味しい作物が食べたいということなんだろう。

 あまりにもやりすぎたとは思うが……。


「まあ、これを撒くのは明日だな。種を蒔く前に施肥せひしよう」


 できてしまったものは仕方がない。これを有効活用しない手はないだろう。上納が早ければ、『資材ショップ』のポイントもそれだけ早く増えるってことだし。


 俺は魔法の肥料を作るのをそこでやめ、『錬金』の時に全く減ることのなかった鉄鉱石とレッドドラゴンの鱗からと何か作れないかと考えた。


「とりあえずやってみるか。『錬金』」


 俺は2つの素材に対して『錬金』を発動した。再び素材が明るく輝き出したが、光が収まるとそこには小さな金属の塊と、何も変わっていないレッドドラゴンの鱗があった。


「……あれ?鉄鉱石しか錬金できてない」


 

◯鉄のインゴット(小)◯

 鉄鉱石から錬金した鉄のインゴット。熱を加え溶かすことで様々な形に造形できる。


 

 金属に『鑑定』を発動すると、思った通りこれは正真正銘鉄のようだ。


「この2つは掛け合わせることができないのか……」


 『錬金』についてはトライアンドエラーを繰り返して作成可能なレシピを自分で作ることになりそうだな。


 でも、未知の肥料なんかが作れるのはとても楽しい。異世界の農業ってやつも地球とは違って色々楽しめることがありそうだ。


 俺は『錬金』の作業をそこでやめて、就寝まで『資材ショップ』で購入できる資材なんかを眺めていた。




 翌朝5時。

 元々働いていた大規模農園だと大遅刻の時間に俺は目を覚ました。

 これでも一般的なサラリーマンなどからすれば十分早起きだ。


 俺は体を起こしてシンクから水を出し顔を洗った。


「ふう……今日はまず肥料と種を蒔かないとな」


 俺は顔を洗った後、すぐに畑に向かうことにした。

 種の入った袋と昨日作った魔法肥料を持って家を出る。ちょうど朝日が昇ってきた頃で、外はうっすら明るい程度だった。


「今日もいい天気だな」


 空には雲ひとつないほどの晴天だった。

 

 早速俺は農作業に入ることにした。 

 昨日『錬金』で作成した魔法の肥料を畑に撒く。『鑑定』で見た通り、畑にひとつまみ程度を等間隔に撒いていく。


「本当にこんなので足りるのか?」


 肥料は普通、土に混ぜ込んで使うことがほとんどだ。稀に植物の近くに置くものもあるが、畑にひとつまみなど聞いたこともない。

 まあ、それだけ効果が高いということなのだろう。


 しばらくして、昨日立てた畝に魔法の肥料を撒き終わったところで、俺は土の状態を見ることにした。


「なんだっけ……あ、『土壌診断』」


 俺がそう呟くと、土から前に見たようなステータスプレートが出てきた。



【保水性】 10/10

【排水性】 10/10

【通気性】 10/10

【p H】 測定不能

【栄養素】 N:適量

      P:適量

      K:適量



「おお!色々改善されているな」


 保水性なんかも満点が表示されているし、栄養素もすべて適量になったようだ。

 万能すぎるだろ、魔法の肥料……。


 しかし、土壌の状態で1つ不可解なことがあった。


「なんでpHが測定不能なんだよ……?」

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