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第70話

 目の前に現れたのはいつも通りの木箱だったが、肥料が入っているからなのかかなりの大きさがあった。


 俺はすぐに木箱を開けて中の肥料を確認する事にした。


「へえ、ちゃんと袋に入れてくれたのか。これなら保存もできそうだな」


 カミラ特製、と言うからには色々調べて作ってくれたものなのだろう。袋にも入れてくれているし結構気を遣ってくれたようだな。


「まあこれがどんな肥料なのか調べないとな……『鑑定』」


◯特製苦土石灰◯

 カミラ特製の苦土石灰。作付け前に土に混ぜ込むことで、土の酸度を調整し光合成の働きを助ける効果がある。


◯特製肥料3種セット◯

 カミラ特製の肥料が3種類入ったお得なセット。窒素肥料、リン酸肥料、カリウム肥料に分けられる。


◯特製微量養素肥料◯

 カミラ特製の微量養素が含まれた肥料。不足しがちな微量養素を補い、作物の生育を助ける。


◯特製有機肥料◯

 カミラ特製の有機肥料。微生物の繁殖を促し、土壌の団粒化を図ることができる。排水性、保水性、通気性を向上させる。


「……カミラ特製、ってところがかなり怪しいけど……特に特殊な効果も書かれていないし当たり前の肥料なのか?」


 また魔法の肥料のようなチート肥料だったらどうしようかと考えたが、まあこれならごく普通の農業ができそうだな。

 

「でもどれくらいの量を撒けばいいかわからないな……とりあえず適当に撒いてみて土壌診断で見てみるしかないな」


 そうして俺は耕した土にひたすら肥料を撒いていった。

 土を耕すよりは時間が掛からなかったが、かなりの重労働になってしまった。


「これから土を混ぜることを考えると……かなり急がないと街に行って帰ってくるのも遅くなるな……。よし、気合い入れるか」


 街から帰ってくるのが遅くなるのは避けたかったので、俺はもう一踏ん張りして農作業を続けることにした。


 肥料を撒いた土を、空気を含ませるようにひたすら混ぜていく。

 やはり土づくりはかなりの重労働でだいぶん身体に堪えたが、そのぶん土壌が改善されるはずだ。


 俺が一通りの農作業を終えたのは、体感で2時頃になったのではないかという頃だった。


「よし、とりあえず今日はこのくらいにしておくか……。最後に……『土壌診断』」


 

【保水性】 4/10

【排水性】 3/10

【通気性】 3/10

【p H】 6.6

【栄養素】 N:多い

      P:多い

      K:多い


【状 態】 3大要素の養分過多。



「あれ、少し肥料が多かったみたいだな……結構養分が多く含まれているのか?」


 土壌の様子を調べた俺だったが、スキルでは窒素、リン酸、カリウムが多すぎると表示された。

 肥料は多過ぎてもあまりよろしくないので?次からは少し調整の余地がありそうだ。


「有機肥料の効果がでるのもしばらくかかるだろうし……とりあえず今日は急いで街に行くか。かなり時間が押しているし……パプリ、また今日も街に行くぞー」


 俺は農作業をやめてすぐに街に向かう準備を始めた。

 今日は小走りで街に向かわないといけないくらいには時間は押している。

 正直明日でも良いのだが、なんせ王宮や国王が絡んでいる。早めに行動するのは悪いことじゃないはずだと考えたのだ。


「まあ俺の要望を聞いて向こうがどう動くか見ものだな……」


 そうして準備を終えた俺は、パプリを抱えて急いで森を抜けるのだった。

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