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第18話

 少し休憩をとった後、俺は今後どのように畑を拡大していこうか考えていた。


「あ、そういえば『資材ショップ』のポイントはどうなったんだ?カミラに上納したからポイントが増えてるはずだが……」


 俺は『資材ショップ』を発動し、出てきたタブレットでポイントの残高を確認した。


「……3万ポイント超えてる!? こんなにもらって良いものなのか……?」

 

 『資材ショップ』の残高はなんと3万ちょっとのポイント残高が表示されていた。

 そこそこ数があったとはいえ、1,000ポイントで資材が買えないと落ち込んでいた頃からは想像できないほど多額のポイントだ。


 カミラのやつ、最初だからって奮発したんじゃないか?


 俺がそんなことを思っていると、カミラから新しいメッセージが届いていることに気がついた。



◇From カミラ◇


 初めての上納ありがとうなのじゃ〜。

 今まで食べたコブルコの中でも一番美味だったのじゃ。

 

 約束通り、『資材ショップ』にポイントを付与しておいたのじゃが、コブルコの場合は1キログラムにつき200ポイントを付与することにしたのじゃ。

 もちろん、魔法の肥料を使った畝から収穫したものは、品質も高いゆえポイントも高めなのじゃ。

 品質が劣ればその分付与されるポイントも少なくするのでそのつもりでいるのじゃ。


 引き続き頑張るのじゃぞ〜




「なるほど……ポイント付与はそういう計算方法だったんだな」


 カミラのメッセージ通りだとすれば、上納したコブルコは計算上150キログラムあったことになる。


 あの畝の1角だけでそんなに収量があったのか。魔法の肥料の効果はとんでもないな。


「でも、最高品質のコブルコで1キロ200ポイントか……。普通に育てたコブルコにどれくらいポイントが付けられるのか分からないな」


 おそらく、魔法の肥料を使った畝からは最高品質の作物が取れるはずだ。

 それと比べて、土に含まれる栄養素も少なく、土壌の排水性などもあまり良くない畝からはそれほど品質の高いものが取れないかもしれない。

 

 俺の目標はあくまで農業をすることなので、魔法の肥料は出来るだけ使いたくなかった。

 もちろん、品質も収量も下がるだろうが、色々試行錯誤して良い作物を作るのが農業というものだ。

 特別な理由もない限り、魔法の肥料はしばらく封印しておくことにした。

 

 そもそも、肥料を撒いた畝は3年ほど効果が続いてしまうらしいので、高品質の作物がどれくらいのものになるのかを調べるための、実験用の畝にしようと考えていた。


「まあ、これだけポイントがあれば資材もそこそこ豊富に揃えられるはずだし、野菜の種なんかも新しいものが買えるな。何を買おうかな〜」


 俺はまるで好きなものを買ってもらえる子供のようにテンションが上がっていた。


 俺はまず、『資材ショップ』でコブルコ用の支柱を買うことにした。支柱は10本セットで300ポイントなので、俺は20本を購入することにした。


 これで今育てているコブルコの立体栽培を始めることができる。


「あとは作物の種だよな……カミラもイチゴが食べたいと言っていたし、イチゴの種でも買ってみるか」


 せっかくたくさんポイントをくれたんだから、少しは恩返しの意味も含めて食べたいと言っていたものを育ててあげたかった。


 俺は『資材ショップ』でイチゴの種を1袋購入することにした。


「え……1500ポイントもするの?意外と高いんだな……」


 コブルコの種なんかは1袋500ポイントで売っているので、3倍ものポイントを支払わなければならない。


 まあ、イチゴを気に入ってくれればポイントもたくさん付与してくれるかもしれないし、なにより俺も久しぶりにイチゴが食べたいので迷わず購入した。


 その他にもたくさん作物の種を衝動買いしてしまった俺のポイントの残高は1万ポイントと少しになってしまったのだった。


「ちょっと調子に乗りすぎたな……あっという間にポイントが減ってしまった……」


 目の前にはポイントと引き換えに現れたたくさんの木箱が床に転がっていた。


 そのまま置いておくわけにもいかないので、とりあえず部屋の隅に木箱を移動させることにした。

 部屋の一角を木箱が占領してしまう形になってしまったが、この家には俺しか住んでいないので特に気にしない。


「とりあえずイチゴの種まきから始めるかな」


 カミラがイチゴのことを首を長くして待っているはずなので、俺は早速畑に向かい農作業を始めることにした。

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