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ナナコの気持ち


準備するので街に戻る。

セブは、イノシシをたらふく食ったが、俺達の朝食がまだだし、グレートキラーボアの討伐報告しなきゃいかん。


帰り道は、手を繋いでゆっくり歩いて帰った。

セブは、籠に入って休んでる。


ゆっくり歩きながら話す。この時間が、凄く好きなんだ。

「ほんとは、こわかったの。」

ん。何の話だ。こわい?楽しい話では無いんだろうな。

「何が怖いんだ?俺が守るぞ。」

ナナコが何か不安なのか?ちゃんと聞こう。

「うん。ナナコが、いたところ。こわかったから…。」

そっか、俺が呪いを解く為にイリアス聖国に連れて行くって言ったからかな?

呪いを解くなら、本人がいた方が良いと思ったからなんだが、イリアス聖国での孤児院の暮らしを思い出したいはずがないだろう。


「ごめんな。ナナコの気持ちちゃんと考えてなかった。」

「ううん。ちがうの。パパがナナコをつれていってくれるのは、うれしかった。」

「おぉ。なら良いんだが。」

「でも、かえるのはこわくて…。パパがたびをいそがずにしてくれて、よかった。」


今になって気持ちの整理が出来たってことだろうか。小さい娘だが、いや、小さい子どもだからこそ、時間が必要だったんだろう。

「そっか。」

何が正解か判らずに、迷いながらここまで来たけど、間違ってなかったと思えた。


ナナコが、首にかけてあるネックレスを触りながら言う。

「はじめにリゼママのおべんとう。おいしかった。」

「そうだな。美味かった。ナナコは、魔法覚えたよね。」

「うん。リゼママがおしえてくれた。」

「そうだな。リゼって教え方上手かったな」

一応、俺も一緒に教えた筈なんだけどね。まぁ、良い。


ナナコの目線は、ブレスレットに移る。

「アリスおねえちゃんと3にんで、いっぱいあそべた。」

「湖で水着着て泳いだな。」

「うん。アリスおねえちゃんに、プレゼントあげたりしたー。」

「喜んでたよな、アイツ。」

「たのしかった。それにアリスおねえちゃんは、いっぱいイロイロおしえてくれた。」

うんうん。冒険者ナナコの先生はアリスだったな。

「ナナコは立派なAランク冒険者だよ。」

「へへっ。」

褒められて照れるナナコもカワイイ。


イヤリングを触りながらナナコが言う。

「おおきなまちに、ミュールせんせいとダイチくんがいた。」

王都での話だな。

「学校へ行ったよね。」

「がっこうでミュールせんせいに、いろいろおしえてもらった。」

「字とか計算とか?」

「うん。ダイチくんともいっぱいあそんだ。」

いや、男の話はせんでいいよ。パパとしては、聞きたくないし、そう、何よりもまだ早い。


「卒業できたな。ナナコは、次の学校へ行きたい?」

「ミュールせんせいが、ナナコたちこどもは、がっこうへいくことおしえてくれた。」

「そうだな。帰ったら初等学校かな?」

「がっこういけるかな?」

「うん。大丈夫だよ。最初は、初等学校、で中等部、高等部。大学の順番。何処まで通うかはナナコが決めれば良いよ」

「そのがっこうのこと。ミュールせんせいにもならったよ。たのしみだなぁ」

実際には、学習レベルや経済的理由なんかで、何処まで進学するかって、自分ではどうしようも無いところではあるんだけど。

ナナコは賢いし、金銭的にもこう見えて公爵令嬢だから、いやAランク冒険者の報奨金でも大学まで問題なく通えるよな。

大学まで行っちゃうと婚期が遅れるって言われるけど、問題ない。と言うか、遅れれば良いよ。ずっと一緒だ。

…。花嫁姿?見たい気もするな。可愛いだろうし、感動して泣いちゃうかも。


ちなみに、全ての教程は、習熟度にもよるが3年目安で進学するんだ。リゼは大学まで出てるけど、飛び級しまくってて10年かかってないはず。だから年齢的にはまだ結婚なんて早いんじゃ無いかと思ってたんだけど。


…。俺、ロリコンじゃないよ。リゼは、もう魅力的な女性だよ。


「リゼが学校の先生になるらしいから、ナナコも行けると良いな。」

「がっこういくー。いきたい。」

「リゼは、多分大学で教えるんだろうから、大学まで行かんとだけどね。」

リゼは、あの学校が出来て先生になれたら、年上の学生に教える事になるんかな?

「じゃあナナコは、だいがくまでいく。」

おぉ、目標が出来ることは良いことだな。


ナナコが着けている装飾品。リゼから貰ったネックレス、アリスからはブレスレット、ミュールからはイヤリングを貰っている。


皆の思い出を語っていると、それらが光っている気がした。3人とも、この世界でもトップクラスの魔力を持った女性達だ。ただの飾りな訳が無い。

皆、ナナコを守ってくれよ。


とはいえナナコを見てると、

…。カワイイ。

ネックレスもブレスレットもイヤリングもナナコを引き立てている。


アイツら3人とも、装飾品付けたあと、やっぱ似合う!カワイイ!とか言ってはしゃいでいたような…。


…カワイイだけなのかもしれん。過信は禁物だな。

ナナコは、俺が守る。気を引き締めたのだった。


四章が完了です。

ナナコを支える三人と一竜のお話でした。

次が最終章の予定です。ようやく主人公のエイトくんの出番ですよ。

…たぶん。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ここから投稿のペース上げられると思いますので、ブックマークや評価いただけると、励みになります。

今日の夜に新章上げれたらと思います。よろしくお願い致します。




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