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国境の街


王都を出て、北に1週間程歩き国境の街に着いた。


ここまでの道のりは、魔物もほとんどおらず順調そのものだった。古代地竜のコダちゃんが邪魔になっていた王都東側とは違い、北側の復興は特に障害もなく順調だったのだろう。



平和な旅の中でも、ナナコは、様々な人々と触れ合い成長できたようだ。そんな話もしたいとは思うんだけども、また別の機会になるかなぁ。


牛さんにペロリとされて、はにかむナナコ。

仔馬に乗って、楽しそうに胸を張るナナコ。

腕いっぱいに野菜を持ってトコトコ歩くナナコ。

あ、一個落とした。拾おうとしてまた落として。

微笑ましいなあ。カワイイなぁ


ナナコのカワイイは止まらない。

それでいて

「パパ。できたよ!」

なんて笑顔で言ってくれるんだから、もうっ!ってね。

ナナコが絞った牛乳をいただき元気100倍である。


…話がそれた。

国境の街である。

北側に大きな川があり、この川までをリチャードは王国領と定めて、国家運営をしている。


川の向こうは、まだまだ魔物も多く辺境の地と言われている。王国に土地を持っていない開拓民達が切り開き開発しているとも聞いている。


イリアス聖国は、その辺境の地の更に先にある。

イリアス聖国の聖都は大陸の北で港があり、他国と交易をしているそうだが、王国との国交はなく、ここから船でというわけにはいかない。



「次は、ミタール村そして魔族領までの整備計画を進めてる。そのため北の川向うの優先度は、どうしても下がるんだ。イリアス聖国と交流する予定もないしね。だから、あっちはまだまだ荒れ地だ。魔物も多いと聞いている。気をつけて行けよ!」

王都で会った時にリチャードが言ってたかな。

魔族との交流を進める為、人族至上を掲げる聖国との交渉は上手くいってない。



何でもコダちゃんを、追い払った?いや、コダちゃんが出ていってくれたおかげで、センドル平原の開発が飛躍的に進むとのこと。ま、良い事ではある。


街に入ると、川岸にいくつか船が泊まっていて、荷卸や積荷を行っており、人夫だけでなく商人や旅客などもいて、その人々向けの露店も多く活気に溢れていた。


「ナナコ、一旦この街で泊まろう。」

「うん。にぎやかなまちだね。」

「そうだな。活気があるいい街だ。冒険者ギルドへ行って、宿と少し依頼を確認するか。」

「いらい?」

「あぁ、少しお金を稼いでおこうというのと、情報も集めておきたい。」

ギルドカードでお金は下ろせるが、必要な物は現地調達するのが、俺のやり方だ。あとイリアス聖国への行き方、北側の開拓の様子などの情報が知りたい。

現地の冒険者達が、達成できない高難度な問題があれば、俺が解決しておくという意味もある。


「わかった。ぎるどってどこかなぁ。」

街のギルドってのは、食堂や宿を兼ねてある事も多く大抵大きな建物で見つけやすい。


「ここだな。ナナコはお腹空いてる?」

ギルドの建物はすぐに見つかったが、街が近かったから、飯を抜いていたんだ。

「ちょっとだけ、でもだいじょうぶだけど、パパは?」

「そうだな。まず何か食うか?」

「うん。」


ギルドに入り、いくつかの高難度の依頼を確認してから、食事を頼んだ。


「おいおい。いつからここは幼稚園になったんだっけな?良いもの頼みやがってよぉ!」

頼んだのは、高級S定食。Sランク以上の冒険者はただで食えるやつだ。普通に頼むと結構値が張る。

ここは、交易の盛んな街で、食材も多く、美味そうだったんだが…。


「それは、お前らが食えるモンじゃねぇんだよ!」

Aランクのナナコの分の支払いをしたんで、俺もランク下だって勘違いしたのかな。


ギルドの絡みはベイスくんだっけ?前もあったので、割愛だな。

オッサンがナナコに絡んで、返り討ちにあうだけの話だから。


「ナナコ様」

結局、ナナコに跪くオッサン冒険者が一人増えただけの出来事。省略して正解だわ。


しかし、いつ見てもナナコの急所に当てるセンスは凄いな。今回は、みぞおちにナイフの柄を当てて、オッサンの…。


キタナイ話だから、これも省こう。


「あてるところ、まちがえちゃった?」

首をかしげるナナコの微妙な表情は…。

カワイイので省く必要は無しで。



少し更新出来なかったです。

ごめんなさい。お話は少しずつですが、書いてますので、読んでいただけると幸いです。

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