魔法の籠
新章突入です。
題も変えてみましたが、上手い題が思いつきません。。。
難しいですね。
王都を出てしばらく歩きつづけた。
ここら辺は、田園地帯になっており、王都からの兵も巡回しており、魔物もいない。
のどかだ。平和そのものだ。
ミタール村も俺が、魔物狩りしてるから平和だったけど。
あ、俺いなくて大丈夫かな?
そういえば村長のモルドさんは、戦争を村人を守りながらくぐり抜けてきた歴戦の勇士だった。問題ないか。
リゼだって、凄い魔法使いになってるし。大丈夫。
でも、少し心配だなぁ。だって俺の愛しのハニーだからね。どんなに強くたって、俺が、守りたいんだよ。
「パパ?どうしたの」
あ、イカンイカン、考え事してて目の前の大切なものが…。
「ごめん。ちょっとリゼの事考えていて。」
何かあるとリゼの事を考えてしまう。思った以上に、リゼを好きになってしまっているようだ。
この年になってこんな気持ちになれるなんて、リゼには感謝だな。嬉しくてしょうがない。
「リゼママ。げんきかなぁ」
「きっと元気でナナコのこと待っているよ!」
「うん。そうだな」
「きゅー」
セブもリゼの事、大好きになっているのかな。
怖がっていた気もするが。優しい娘だよ、大丈夫。
…。何か来る?
王都から凄いスピードでこっちに向かってくる。強いオーラだ。俺と互角の存在、そんな感じだ。
飛竜飛んできた。人が乗っている。
ブォーン、ブン。
竜騎士だが、ロイヤルなヤツ…。
そう、飛竜に乗ったリチャードが降りてきた。
「よう!」
リチャードが声をかけてきた。田園地帯を背に、黄金の竜、何だかごっつう高そうな服。いちいち絵になる王様である。
「どうした?この前会いに行ったばかりだろ?」
「竜の子がついてったと聞いてな。…これやるよ。」
リチャードが小さな籠を一つ差し出してきた。
あれだ。ピクニックとかでお弁当入れたりして持っていくやつ。
今回の荷物は、全てバックパックに入れている。だから余計な鞄なんかはいらないんだが、この小さな籠は、ナナコ持つのにちょうどよい大きさだな。
「おう。ありがとう。ナナコにちょうど良さそうだな。」
籠を受け取りナナコに持たせてみる。
うん。よく似合ってる。
「ナナコ。どうだ。」
「うん。ありがとうございます。」
ナナコも嬉しそうだ。気に入ってくれたみたいだな。
「それなんだが、魔法の籠っていってだな。空間魔法がかけてある。籠には竜が入る仕掛けになっていて、竜騎士の必須アイテムだよ。」
確かに竜騎士は、籠と言うか小さな鞄のようなものを持っている奴が多い。そっか、デカい竜をどうしてるんだと思ってたんだが、街なんかで目立たないように籠や鞄に竜が入っていたんだな。
確かに、戦場でも竜騎士はいたが戦闘や移動以外の時あまり竜をみない気がする。
「セブ。入ってみるか?」
「きぃ?」
俺が、行ってみたが戸惑っている。ナナコを見るとナナコが頷き
「セブっ。おいで!」
「きゅー」
セブは籠の中に飛び込み、入っていった。
すげぇ、本当に収納されてる。でも、ナナコの言う事しか聞かないのな!ちょっとは俺の言う事聞いて欲しいんだが…
「あれ、あたまのなかに、なにかある?」
「ああ、所有者をナナコちゃんで登録しておいた。セブ?君の感情もリンクされてる。」
「とうろく?りんく?」
「それは、ナナコちゃんのものってことだ。その何かに、出てこいって語りかけてみて」
「うん。わかった。」
ナナコが目を募って何か念じ出す。
おぉ。籠の中から竜飛び出してきた。
ちなみに竜にとって籠の中は快適で、籠に入ることを嫌がる事は無いそうだ。
「リチャード。ありがとう。でもセブのサイズだまだそんなに目立たないとは思うんだが?」
「でも、そいつ卵から孵って1月くらいだろ?そろそろ1回目の脱皮でデカくなるぞ」
そうなんだ。デカくなるんだ。セブをみる。
「きゅう?」
今のままでカワイイのにね。
ナナコを見る。今のままでカワイイ。
でも、会った頃より少し大きくなったかな?
会った時は、かなり痩せてたし。肉がついたと言うか健康的な感じ。多少痩せ気味なのはしょうがない。
おデブなアサシンってカッコつかないよな
あ、背も伸びたか?
ナナコの身長は俺のへその辺りまで。
前はそこまで無かったような。
ナナコは、成長してもカワイイ。
ならセブも問題無しで。




