表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/79

鍛冶屋冥利につきるとは?


王都での日常が過ぎていく。

数週間だが、ナナコは元気に学校へ行き、読み書きソロバンを憶え、順調に成長している。


剣の修理も終わり、ナナコに見合った武器もできた。


短くて軽めの剣だった。ナイフと行っても良いくらいだが。…これは剣だな。


ナナコは、嬉しかったのか

「ゴランさん。ありがとう。」

って、エロジジイのドワーフにとびっきりの笑顔。


「お礼は、そうだな。十年後な!」

エロジジイのドワーフ、ゴランさんが冗談を言う。

十年後の大人なナナコにイタヅラするつもりか?

冗談ならいいけど。


?が顔に浮かぶナナコ


「ちゃんと金は払った。十年後はお前の周り100km以内には近づけんよ!」

冗談ならいいけど、ちゃんと言うとこ。


十年後のナナコもだけど、今のリゼもな!

駄目なもんはダメ!


「パパって、たまになんか、やなカンジだよね」

「ねー!」


エロジジイのドワーフ鍛冶と意気投合してる…。

ねー!

って、ジジイが可愛く言っても気持ち悪いだけだぜ。

でもまぁ、ナナコは、カワイイけどな!


って、ちょっと待って。やなカンジってどういう意味?

たまになんか?って。

あれ、俺、もしかして他にも、なんかしちゃってるんかな?

⋯な、なにもしてないよね?


難しい顔をしていたのだろうか?

「パパ。」

とナナコが見上げて呼び掛けてくる。やな感じって言われたけど、嫌われては…いないはず。


話を変えよう。流れが良くない。


「とにかくだ。モノは流石だな。礼を言う。」

勇者の剣も、見事に復活している。

「ウム。他の誰でもないエイトの頼みだ。気合も入る。」


鍛冶屋として、この世界最強の俺が使う武器を取り扱う以上のやり甲斐はないって、前に言ってたかな。

鍛冶屋冥利につきるとかなんとか。


「ま、オマエの周りには何故かベッピンさんが集まるしなっ!」


あ、エロジジイに戻りやがった。

もういいや。用は済んだ。と思ったんだけど。

「パパ。ベッピンさんってなに?」

「あ、キレイなお姉さんのこと。って何言わすんだよ。ゴラン!」


「じゃあ、ナナコも、リゼママみたいにキレイになれたらベッピンさんってよばれるのかなぁ。」

そうだな。リゼは確かにベッピンさんだな。でも

「ナナコは充分ベッピンさんだから大丈夫!」


ってことで、ゴランの鍛冶場をあとにした。


帰り道。手を繋いで歩く。

手から伝わる暖かい感じが、心地よい。やはり良いものだな。


「あしたはね。そつぎょうしきなんだって。」

ナナコが言う

「そうなんだ。卒業式かぁ」

と言いつつ、卒業式ってなに?


「うん。ミュールせんせいが、ナナコもそつぎょうだって。」


ミュールの学校が終わった後、普通なら初等学校に行くのだろうが、ナナコは、どうしたいのかな?

呪いについてなら、抑えるだけならダイチくんもいればなんとかなるだろうし、危険な旅に連れて行かなくても、俺一人でも解決できるかもしれないし


「ナナコは卒業式した後、どうしたい?ダイチくん達と初等学校に行くってのもアリかと思うが。」

「ダイチくんと、がっこう?」

「うん。ナナコがどうしたいか聞きたいんだよね」

「でも、がっこういくなら、たびはできない?」

「そうなるが。…」


間が空く。手を繋いで横に並んで歩いているとナナコの顔色が分からん。


えー、と。エイっ!

ナナコを抱きかかえて顔色を見る。今にも泣きそうな顔をしていた。


「どうした?どこかツライのか?」

出来るだけ優しく聞いてみた。


「パパとたびをして、…。ななこがヘンにならなくなって、リゼママといっしょに…」

「そうだったな。俺と旅をして、呪いを解いて、リゼと三人で暮らすんだったな!」

「うん」

「だから、俺と一緒だ。」

ナナコに笑顔が戻り、ぎゅっと首に手を回して抱きついてきた。


「良いのか、楽しいことでばかりじゃないと思うぞ」

「うん。パパといっしょがいい。」

「痛い事もあると思うぞ」

「うん。パパといっしょなら、だいじょうぶ。」

お、俺と一緒!!いい響きだ。

「呪いは、俺一人でもなんとかするよ。」

「もうっ。パパはななこといっしょイヤなの?」


ナナコの手が邪魔で首を横に振れん。

「なわけないだろ!いつも言ってんじゃん。」

「うん」

「いっしょに、行こうな!」

「うん」


後は他愛もない話をして、笑いながら帰った。

楽しかった。いつまでも家に着かなければ良いのに。


まだ、ナナコは軽かった。軽いはずだった。

でも、こんなに暖かくて重たいと感じたのは、今まで生きてきて初めてだったかもしれない。



すみません。

めちゃくちゃ更新が開きました。

転職や引っ越しがありってのは言い訳ですが、数年が経ちましたが、一応完結まで話のスジはできました。

続きで数話書けたので、更新速度は遅いかもですが完結までできるかなって思ってます。

これからもエイトとナナコをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ