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呪いの解析。


それから数日がたった。


ナナコは、字を覚え計算も簡単なものだが出来るようになってきた。もともとある程度は読めていたし、何より頭の良いコだ。字といっても数十種類の記号だから、すぐに覚えちゃったようだ。上の学校へ進んでいくと、魔法書の解析や魔法自体の使用効率の為に、魔法文字と言われる複雑怪奇な字や、難解な計算式を習う。まぁ、ナナコなら大丈夫だろう。


そんなある日、ナナコを迎えに行くと、ミュールに呼ばれた。

「エイト。ナナコちゃん。ちょっと良いかな?」


再び、白衣を着たミュール。


控えめに控えることができない胸もと。スラリと長い脚を隠しきれないミニスカート!


やっぱエエのう。相変わらずセクシーやぁ!

何故か、リゼの顔が浮かんだ。うぅぅっ、自重やで!


「ここ数日、ナナコちゃんの事。見ていたんだけど。」

ミュールが切り出した。

「見ててくれたんだ。」

ふと声が漏れた。この前診てもらったので終わったと思ってた。

「当たり前じゃない。他でもないエイトの娘だからね。」

片目を瞑り笑顔のミュール。これは、ウインクというらしい。ドキッとするぜぃ!

「ミュールせんせい。いつもやさしく、みててくれてたよ。」

ナナコが言う。ミュールと向き合って、笑顔で会話している。リゼもアリスも、ナナコのこと大好きになってくれた。ミュールもナナコを気に入ってくれたようだな。


こんなに可愛くて、すぐに皆から好かれる女の子だ。暗殺術なんかじゃなく、普通の子どもらしく生きるべきだよ。あらためてイリアス教団への、許さない思いが強くなる。


とはいえ、俺だってナナコに魔物の倒し方なんか教えてる…。って、いや必要だと思ったから。



「そうよね。アリスさんもリゼちゃんも、ナナコちゃんともっと触れ合ってるのにね。私もナナコちゃんと、もっともっと仲良くしたいよっ!」

確かに、ママとおねえちゃん。対してミュールは先生。ちょっと差があるよね。少し間があってミュールが再び口を開いた。


「でも、エイトのいないナナコちゃんと触れ合ってるの私だけか?まぁ、それも良いかな。エイトの知らないナナコちゃんってね。」

俺の知らないナナコ?複雑な気持ちになるな。


ナナコが不思議そうな顔をしている。

「?。リゼママもアリスおねえちゃんもすきだけど、ミュールせんせいもすきだよ。」

「…んん。ナナコちゃん。かわいいっ。ぎゅってしちゃう!」


ミュールにぎゅって抱きしめられるナナコ。胸が…。ナナコの小さい体に押し付けられて形がかわっている。柔らかそう!

羨ましくなんて無いんだからね!

でも、まぁ、リゼも帰ったことだし、見てる分には。ね。


でも正直、羨ましいっ!って自重やで。


「そうそれで、その、呪いのことなんだけど。」

ミュールが話題を戻した。ナナコはかわいいんだけど、いつまでも、愛でてられないしね。


「やっぱり、私にも解呪するのは、無理みたい。…ごめんなさい。」

ミュールからは、謝罪の言葉がでた。表情も暗い。

「せっかく頼ってくれているのに…。」


「謝る必要はないよ。残念だけど、想定内だ。大丈夫。」

ミュールは、昔から物事を背負い過ぎる。俺は、この聖女ミュールが、聖魔法が使えるだけの普通の女のコだって知ってる。


「ミュールせんせい。だいじょうぶだよ。…。」

ナナコも答えるが、少し元気無いか…。


「まぁ、結局は、イリアス聖国に行かんとダメってことだな!」

ミュールに尋ねる。ミュールは、少し複雑な表情をしながらも、俺の言うことに頷いた。





久々の投稿となりました。

なんとか完結させたいと思います。


初心忘れべからず。

一人でも読んで頂いている方がいる限り完結させて

、読者様をハッピーエンドへ連れていき、少しでも暖かい気持ちになって頂けるようにしたいと考えています。


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