表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/79

ダイチくんとナナコ。


協会に入ると、広場であの、レグスさんが、子ども達を遊ばせている。


ちょっとドキドキするけど、俺も克服しなきゃな。


見ていると、上手いこと遊ばせている。

腕に子ども達をぶら下げたり、皆の体当たり受け止めたり。子ども達が、怪我しないように気遣いながら。


優しい人なんだよなぁ。


ナナコとダイチくんも一緒に遊んでる。二人は他の子ども達と明らかに動きが違う。ダイチくんもなかなかやる。レグスさん、大丈夫か?

お、流石は、歴戦の戦士。ナナコやダイチくんがレグスさんに掴まれて、グルグル回されてる。


…ナナコ。めっちゃ笑とる。よ、良かったな。

俺も、こんどグルグルしてやろう。


ナナコが俺に気付いたようだ。

風よりも速く、俺の前に来た。お、寂しかったの?


「パパ。。きてくれたんだ。」

満面の笑顔。か、かわいいっ。寂しかったって感じではないが。


でもこの笑顔。迎えに来て良かった。


「どうだった?楽しかった?」

ナナコにも普通の子どもみたく、同い年くらいの子ども達と遊ぶ機会があっても良いよな。


呪いじゃなんじゃあるけど、ここには聖女(ミュール)もいるんだし、安全だしね。



「うん。スゴくたのしい!でね。ダイチくんって、すごいんだよ。」

あー、男の話は聞きたくないかな。でも俺は父親だ。ちゃんと聞かないとだな。

「そっか。」

「うん。けいさんとか、じもかけるし。」


「あ、でも、ナナコ。すぐにおぼえて、すごいよ。」

ダイチくんが口をはさんできた。


…ナナコ?呼び方?

ずいぶん仲良くなったんだな。


「それに、かけっことか負けちゃったし。こどもにはじめて負けた。」

ダイチくん。君も子どもだけどね。


「僕、ナナコに勝てるようがんばる。」

ダイチくん。ナナコのライバルとしてなら認めよう。

でも、これ以上仲良くなったらダメだからね!


「あ、パパ。もうちょっといてもいい?」

「もちろん。俺はここで見てるよ。」

ナナコにとって、楽しい時間だ。



「あのコね。同世代のコに初めて負けたのよね。」

ミュールに声をかけられた。

「お、ダイチくんのことか?」


「うん。私には過ぎた子どもでね。ちょっと心配してた。」

広場では、ナナコとダイチくんが勝負してる。運動能力は、ナナコの方が断然高い。でも、ダイチくんも子ども離れした動きだ。


「あんなムキになってるダイチ。初めてだよ。」

「ナナコは、俺でも本気ださんとダメだからね。プラチナ冒険者だしね。」

「ナナコちゃん。すごいね。よくあそこまで…。」

ミュールが涙ぐんでる。


…ミュールは最初、イリアス聖教の教会で召喚された。だから、イリアス聖教のことはよく知っている。


イリアス聖教会の実態を知って、このリベルトに亡命を決意した。その脱出の途中、追手から俺が助けた縁がある。


レグスさんは、その頃から聖女(ミュール)に付き従っている。や、優しい人なんだよな。ホントは。


レグスさんには戦場で、俺の背中を任せたくらいの…。

攻撃力は、それほどだけど、攻撃を捌く能力が高かった。今は、子ども達の全方位攻撃に対応している。

とある戦場で、聖女(ミュール)を二人で力を合わせて守りきって、ガッチリと握手したこともある。

その時、名乗ってくれなくて、護衛さんとかお兄さんとかって呼んでた。今思えば失礼だったよね。


あ、それ見たミュールが、俺たちがお似合いだと。


…忘れよう。うん、それが良い。

(ナナコ)がお世話なっているんだ。いつまでもトラウマとか言ってられん。


人の親っのは、大変だな。苦手とか、有無を言わさず克服しないと駄目なのか?



「あ、エイト様。ナナコちゃん、良いコですね。」

「様はいいよ。レグスさんも元気そうで。」

ちょっと汗がでるけど、握手。ナナコが良いコなのは、普遍的事実だからな。


なんか、艶かしい視線を送る聖女(ミュール)がいるが無視しよう。


「ダイチには、いつも挑まれていてね。だいぶ鍛えれたから強くなったと思ってたけど、ナナコちゃん。流石は、【勇者エイト】の娘だ。」


…。

聴こえたかな。


ナナコがまっすぐと、向かってくる。

解呪は?

遊びすぎて魔力切れ?


ダイチくんが、間に入ってきた。

あ、危ない。俺なら大丈夫だから逃げてくれ!

ダイチくんを守ろうとすると、


ダイチくんから、聖属性魔力?


ナナコの動きが鈍くなる。聖女(ミュール)のようにはいかないけど。呪いが止まった?

すごいな。


「ウチの息子もやるもんでしょ?」

ミュールが誇らしげに言う。最初からダイチくんが止めてくれると信じていた?


レグスさんには、事情を説明した。

ミュールからは、レグスさんに説明していなかったこと謝れたけどね。


ナナコのダイチくんを見る目が、ちょっとね。尊敬の眼差しってヤツか。

「ダイチくん。ゴメンね。」

「謝らなくてもいいよ。当然だからな」


なんか男前だな。

当然?よくわからんが、ナナコを守るのは、俺の仕事なんだが。


そうこうしているうちに、夕方になる。帰る時間だ。

通いの他の子ども達も帰っていった。


「ダイチくん。ありがとうね。」

一応、礼を言っておこうか。

「いえ、あの…。」

何かあるのか?でも、ここは大人としての余裕だな。


「流石は、ミュールの、そしてレグスさんの息子さんだな。頼りになるよ。これからも宜しくな。」

握手を求めた。ダイチくんも笑顔で握手してくれた。


「はい。ナナコ、さんは友達だから。」


小さな手だ。よく見ると可愛い男の子だ。

そ、トモダチ。だよ。ダイチくん、そこのとこ宜しくね。


それから帰り道。ナナコと手を繋いで帰る。

幸せな時間だけど、ナナコがダイチくんの事ばかり言うのが、ちょっとなー。



どうしても聖女サマの影が薄くなってしまう。バデーはダイナマイトですがっっ


聖女サマのボデーに埋もれたい方もそうでない方もブックマークと評価お願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ