幼なじみってやつ。10年、いや100年早い!
次の日の朝。
リゼとは、またキスだけ。
俺たちは、まだ、コレでいい。
リゼは、まだ学校卒業したばかりだしね。リゼを見るともう、なんというか、手を出しても良いように思うが…。
昨日で蔵書の選定も終わり、今日にもミタール村に戻るらしい。流石はリゼ、お仕事が早い。もうちょっとゆっくりしても良いのにねぇ。
せっかく会えたけど、いや、イリアス聖国に行く前に会えて良かった。気合が入ったよ。
昨日は、手を繋いで寝ました。
俺は、モンモンして眠れなかったけど、両側にいるリゼとナナコ。幸せだなぁ。二人とも、寝顔かわいいっ。
両手使えなくて、困ったけど、まぁ、こんな日もね。
手使えないから、ミュール直伝の方法も使えん。
両側に、嫁と娘が居ちゃぁどうしようもないが…。
あはっ、嫁って。まだ早いかな!
おほ、どうしようもなく浮かれております。
ま、一人が長かったしね。寂しいなんて思ったことなかったけど…。
いや、多分、ずっと寂しかったんだよな。
それが普通だったってだけで、もう一人には戻れないな。
3人で朝食を食べる。
リゼには、昨日ミュールに言われたことを報告する。
数週間後にイリアス聖国に行くことも。
「私もついていきたいけど…。」
リゼがさみしそうに言う。
「心配するなって。俺がついてる。」
「そうだよね。エイトさんだもんね。」
「おう、任せとけ。リゼは、村で待っててよ。」
「うん。頑張ってね。」
「そしたら、一緒に、その、」
改めて言うの照れるな。一緒に住もうって言うだけなんだけど。
「準備してるよ。3人で住むの楽しみにしてる。」
とリゼ。
う、あっさりと。
「ななこもたのしみだなぁー」
「俺も、…楽しみだ。」
その時には、その、リゼと…。
あー、我慢できねぇ。今から、いっちゃうか?
…。取り乱した。平常心だ。
平常心。。。
学校へナナコを連れて行こうとすると。
家の前にナナコと同い年くらいの一人の男の子がいた。
「おはようございます。ナナコさんを迎えに来ました。」
お、しっかりした子だな。見渡すと、物陰になんともセクシーな空気が。ミュールが居るのか?
「えっと、だ、誰かな?」
「あ、僕は、聖女の息子で、ダイチって言います。」
確かに、ミュール譲りの蒼い髪の毛、完全な美形。
あれ、黒い目…。
あ、レグスさんだっけ、あの人も目、黒かったかな?
あの人と結婚したんだよな。
ま、終わった話だ。
ところでダイチって、ミュールの故郷の言葉かな。いい名前だな。ナナコの方がいい名前だけどね!
で、聖女に言われて迎えに来てくれたと。
「おはようダイチくん。でも、ナナコは、俺といk」
俺が連れて行くから大丈夫だよ。ミュールの息子とはいえ、馬の骨の出番じゃねえ。っていいたかったのに。
小さくてかわいい影がサッと俺の横を通り、
「おはよう。ナナコです。よろしくね!」
自然と手を繋いで行ってしまった。
さ、流石はナナコ、俺を消しに来たアサシン。止められなかった。
振り向いて
「パパ、ママいってきまーす!」
え、笑顔や。
呆然としてると隣にリゼ。
「初めて、ただのママって言ってくれたな。」
「うん。そうだな。」
「普通のパパママみたく、こうやって娘を見送る日がくると良いなぁ。」
ホントにそうだな。
「大丈夫だよ。その日は、絶対来る。」
俺が、やるんだ。
「エイトさん…。」
お、いい雰囲気。ナナコも行っちゃったし。
…チャンスか。と、とりあえずキスしよう。
と思ってたら、二人の子どもの後をつけるセクシーな聖女の姿が通り過ぎる。
少し屈んで、抜き足差し足忍び足。
カッコ悪いんだけど、そこは完璧聖女。何故か妙に、なんというか、絵になるというか。色気があるというか。
あ、こうしちゃいられねえ。俺も見守らないと。
3人で後をつける。
ナナコとダイチくんは、手を繋いでお話ししながら歩いてる。
何話しているんだろう。
楽しそうだ。俺以外には、あんな笑顔するんだ。
「ダイチ…。楽しそう。」
ミュールが呟く。お、ミュールも同じような感覚に?
あ、でも、なんか聖女の微笑みが歪んでいる気がする。…気の所為かな?
「聖女さま。嬉しそう。息子さんの成長だもんね。」
リゼの呟き。
…ち、違うと思うな。彼女は、えぬてーあーる、だっけ?大事な人に踏みにじられるのが好きだから…。
今回は、ちょっと違う気もするが。
無事に教会まで見届けたあと、
二人の自己紹介というか、以前会ったことあるはずだけど。
「リゼちゃんだよね。大きくなったね。あ、学生のときにも会ってたかな。」
「はい。聖女さまは、おかわりなく。」
「リゼちゃんが、ママなんだね?」
「はい。エイトさんと婚約しましたので。」
「そっか。リゼちゃん、ずっとエイトのこと好きだったもんね。良かったね」
聖女の笑顔に裏表はないはず。はずだ。
「はい。ありがとうございます。」
リゼの笑顔にも、他意は無いはず。無いはず。
なんてことない会話何だけど、なんだろう?この居心地の悪さは!
更新遅くなって、申し訳ないです。
これからも続けていきますので、よろしくです。




