土下座案件について。
えっと。あ、俺だけ外で寝ていたことにしよう。
…実際には両手に花だったわけだが。
ナナコとアリス。俺にとっては、安パイな二人だが…。
ま、かわいいし魅力的だとは思うが。
そういう対象ではないのだよ。リチャード君。
「パパ。てんとせまいよ。リチャードさん、どうする?」
ん?ななこさん?そういう聞き方だと…。
「えっと。その狭いテントで、あーちゃんと、一緒に寝ていた?」
っく。気付いたか。もう手遅れかもしれん。
「えっと。あの。ナナコも一緒にだよ!」
「それでも、ひっついていたんだろ!」
「いや。あたってはいたけど。えっと。無いものは当たらないし…」
アリスの胸らへんを見る。やっぱ、無いものね。
「エイト…。おヌシ!」
あ、しまった。でも、アリスは口開かないの。ややこしくなる。
うぅ、何か言わないと。
「いや、でも、アリスとはそういう感じじゃないから…」
と、言うしかないけど。それはそれで、ダメな気がする。
「なんだと。俺の愛するあーちゃんに魅力がないとでも!」
アリスを見る。美形だし、可愛いとは思う。思うんだけど…。
やっぱ、初等学生には手ぇつけられんでしょ。
「じゃから、儂はお主らよりも年上でだなぁ!」
アリスがキレる。やはりコイツは、俺の考えていることがわかるらしい。
「いや、ここはそういうとこじゃなくてだなぁ。お前も誤解を解きたいだろ!」
「何の誤解じゃ?」
え?本気で言ってる?アリスの大好きなリチャードさんがなんで怒っているかわからない?
「いや、だから、リチャードは、俺とアリスの仲を疑っている訳で…。」
「なんで、リッ君が、儂とお主の仲を…。」
気付いたらしい。いろいろと不味いことを…。
ちゃんと教えてあげるべきだったけど。でも、楽しかったから。
ナナコも喜んでいたし。
「とにかく、エイトも男なんだ。俺だって気にするよ!」
リチャードがアリスに言う。
「うん。ごめんなさい。気をつけます。」
しおらしいアリス。俺の許可無くキャラ変するなって。ややこしい。
「エイトもエイトだ。お前があーちゃんに手を出していないことはわかった。だけどな。」
いや。わかって頂けて良かった。俺だって、相手にするなら高等学生以上からさ…。
「えっと、アリスが魅力的なのはわかった。じゃあ、お前ミュールと一緒に寝たら手ぇだすかよ!」
例えを出して、信じてもらおう。
聖女はアリスと違い完璧なボディの持ち主。タダ性癖がちょっと…。
「いや、それは無いな。」
リチャードはアリスが大好きなように、女性の肉体的魅力には全く興味が無い。それよりも聖女の性癖を知っているので、どんなスチュエーションに落ちでも、手は出さないだろう。
「じゃあ、聖女に魅力が無いとでも?」
「いや、彼女は聖女だし、美しい。十分に魅力的だ。」
推定Fカップなのは、どうなのだろう。そう勇者スキルによると彼女はその、FかGカップである。
…。これは、実際見たり、…したことあるので、信憑性は高い。
「そういうことだよ。アリスのこと魅力が無いとは言わんが、その、範囲外というか…。ま、安心してくれ」
「うぅ。わかっ…た…。」
お、論破できたな。無事済んだな。この調子で、リゼへの対応もなんとかなるかな…。
「ま、そういうことだから、今日は、男二人は外で寝よう 」
天気も悪くない。仕方ないだろう…。
「パパ。おやすみ。」
ほっぺにチュウが欲しいところだが、まぁ、いい。ゆっくり教えていこう。
「えっと。今日は…。」
アリスが、控えめに言う。
「おぉ。二人でテント使ってくれ 」
ナナコは、少し眠れないようだ。
「パパ。じょうかしてくれたけど、こだちゃんのちとかついたままなの、きもちわるい。」
「そうだね。仕方ないよ。街に行ったらお風呂探そうな」
「うん。また、みんなではいりたいな 」
…。…。…。
あ、これ、アリスと一緒に入ったのバレるか?
「エイト君。みんなってのは?」
怒ってる?俺を君付けするなんて…。
「アリスおねえちゃんとパパと…。あ、そだ。こんどはリチャードさんも、いっしょにはいる?」
「ナナコ!あれ、寝ぼけてるのかな。もう寝ような。」
「ななこ。ねぼけてないよ。あ、でも、もう、ねむいな。おやすみ。」
「「おやすみ」」
笑顔のリチャードさん。こえぇ。
とりあえず土下座の体勢になる。申し開きを…。
「あのな、リチャードさん。そもそも、その、アリスはその…」
「おれも、まだ、一緒に入ったことないのに…。」
「いや、その、悪かったって。いや、悪いことは何もしてないんだけど…」
「俺だって、リゼとダンス踊ったし…」
ん?
「え?何のはなしだ?」
「俺は、リゼの魅力も十分に理解している。俺が悔しいのは、アリスの魅力を全く感じないお前に対してだ!」
えっと。じゃあ、アリスの裸をみたことは…okなの?
その後、俺が耐えられなくなってオチるまで、リチャードはアリスの魅力を語り続けた。
「お前の様なヤツが、あーちゃんの裸を見る権利は無い!」
「じゃぁ、アリスに対して邪な心を抱くヤツなら良いってのか?」
「なんだと。あーちゃんに対して邪な心だと!…死刑だ。そんなヤツは処刑する!」
あ、国王様。公私混同は良くないですよ。
明け方。
「アリス様は美しい。」
「そぉだ。あーちゃんは魅力的だ」
「アリス様は魅力的。」
「よし。あーちゃんはキレイだ」
「アリス様はキレイ」
………。永遠と繰り返されるアリス賛美。
なんか、オチる寸前、心が壊れちゃった気がする。あんま覚えてないんだけどね。
よくわからない話になってしまった。
次から、また物語が進みます。
話数が増えた事もありますが、PVが結構増えてきて、ありがとうございます。
ここらで、ランキングにのってみたいと思うものの、ハイファンの壁は高いですね。
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