コダちゃん戦。
「爆裂魔法」
アリスの最強魔法が炸裂する。
古代地竜ってたって、大きいトカゲみたいなもんだ。
俺たちの敵じゃないよ!
爆裂魔法で巻き上がった粉塵の中を突撃する。
コダちゃんは、自らの持つスキル砂あらしを起こす。
ナナコを参加させなくて良かったな。
視界が悪すぎて、ナナコを守りながら戦えん。
足を切りつける。
とりあえず部位破壊でいこうか。
左足に攻撃を集中させる。
アリスの魔法の支援は効果的だ。
左前足にタゲ絞ったのも理解してくれた。
俺達は、いくつもの戦場をくぐり抜けてきたんだ。
あうんの呼吸。俺が動く意図。アリスが動く意図。お互いに理解して戦う。連携ってやつだ。
このクラスの魔物だと、魔力を纏って防御力を高めて戦ってくる。
更に、コダちゃんには、鉄より堅いと言われる、竜の鱗がある。
俺の剣は、勇者の剣。
この世に切れないものはないと言われてる。
とはいえ、魔力を纏った竜の鱗を切り裂くことはできない。
切れないものあるじゃんかよ!って言いたくなるがそう言うものだ。
地道に攻撃を重ねて、防御を剥がしていくしかない。
何度切り付けたか数えてないが、魔力の膜が部分的に弱まってきた。
コダちゃんの爪での反撃をかわして、切りつける。
防御が薄くなった。
「よしっ!アリス。」
「あぃな。爆裂魔法!」
「ぐおおおおぉぉぉー!」
コダちゃんが、痛みだと思うが吠える!
コダちゃんの前足は爆裂魔法でボロボロになった。
これで左前足は破壊した。
次に、左後ろ足を破壊すれば、バランス崩して倒れるはず。
その後は、動けないコダちゃんを、好きなように蹂躙できる。
と、思ってたんだけど。
左後ろ足にターゲットを変えた時、左前足が治癒されてた。
再生か?
む、なかなか難しいかもしれん。
伊達に古代地竜ではないと言うわけか。
後ろ足を破壊して、別の部位に移ると回復される。
切り落としても、再生する。
くっ、トカゲめ!
かといって、行きなり急所と言うのも狙いにくい。
頭を破壊すれば、多分いけるが…。
頭を下げさせないとダメだ。
アリスと目で合図して、一旦距離をとる。
「どうする?」
「地竜の魔力が尽きるのが先か、儂らの体力が尽きるのが先か…。」
「地竜?。コダちゃん。な。」
どうでも良いが、せっかくナナコが付けた名前だ。
「お主は、変わらんの。この真剣な時に…。」
二人でニヤリとする。
ピンチに時ほど、ふざけて力を抜く。
ま、今は、ピンチと言うほどではないが。
「とにかく、このままじゃ。じり貧だな。ちr、コダちゃんが俺らより魔力が少ない保証はないし。」
むしろ古代地竜。魔力は無尽蔵だろう。
「せめて再生エネルギーの源になっている箇所が、わかれば良いのじゃがな。」
どこかの部位で、再生をコントロールしてるのか。
「角とか?」
「背中のこぶのどれかかじゃとか。」
「お腹に、それらしき出っ張りも見えるな」
コダちゃんを見る。
背中のこぶは、10数個あり、角、腹側のこぶ。
ひとつづつ、潰していくしかないか…。
魔力と体力、もたんよな。
聖騎士がいれば、タンクと回復役を一人で引き受けてくれるんだが…。
あ、これも、後先考えず突っ走った結果なのか?
俺たちの敵じゃないよ。とか調子にのって…。
また、怒られるやつだな。
王都へ先に行き、リチャードを連れ出して、3人で戦うっていう手があったかもしれない。
後で聞いた話だが、アリスは、リチャード無しで討伐したかったらしい。
「だって、リッ君が誉めてくれると思ったんじゃ!」
って、拗ねるアリス。拗ねる美少女も、まぁ良いものだ。
懐かしい気持ちに浸るくらいの余裕はある。
でも、次の瞬間、余裕も何も無くなった。
「あれっ。ナナコがいない。」
向こうの丘で大人しく座って見てたはず。
更に、予期しないことがおきた。
コダちゃんが頭を振り上げた。竜の特有の動き…。
あ、コダちゃんブレス。
ところ構わず、辺りを焼き付くす。
くそっ、竜にはこれがあった。
俺達は、魔力の防御幕で防ぐことができる。
ナナコは?
これ、教えてないよな。どこかに隠れてくれた?
無事でいてくれ。もっと離れた場所だったら良かったのか。
次の瞬間。
コダちゃんに近付く小さな影があった。
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