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Aランク冒険者ナナコ


「揉め事を街で起こさないで下さい!」

受付嬢がそう言って、訓練所まで案内してくれた。


Aランクのベイスにも堂々としてる。大きな胸に負けない度胸だな。

ま、でないと冒険者ギルドの受付嬢なんてやってられんか。


「勇者の戦いを見れるなんて、運が良いわ!」

と呟いているけど。

ん、俺戦わないよね?


「おらぁ、どっからでもかかってこいや!」

ベイスだっけか、Aランク冒険者が吠えてる。


「だって、ナナコ。」

「うん。パパ…。」

ナナコが少し不安そう。

「大丈夫だよ。俺の見た感じだと、シグルド君と一緒くらいの強さだから。」

「なら、いけるかな。」


「あの、ゆ、あ、貴方が戦われるのでは?」

受付嬢が聞いてきた。勇者エイトのこと内緒っての覚えていてくれたみたい。

「え、でも、文句言われてるの、ナナコのランクなんだろ?」

「ええ、それは、そうなんですが、あんな可愛いコ…。」

「勝ったら、ナナコのカード、キラキラでいいよね?」

「キラキラ…?ベイスさんはAランクですから、戦い方によってはAランクでも、大丈夫なんですが…。」


「よし。勝ったらキラキラカードだぜ。ナナコ!」

「うん。がんばる。」

「あ、がんばっちゃうと、あの人死んじゃうから、そうだな」

訓練場にある木刀の小さいヤツを見つけてナナコに渡す。

「これで、突いてみ。」

「うん。わかった」


「な、なめやがってぇー!」

ナナコとベイスが対峙する。

「お嬢ちゃんには、恨みなねぇが。おらぁ」

ベイスが長い木刀を振り回すが、当たらない。

「おら、おら。おらぁ」


そんな大ぶりしちゃあ、ナナコに避けてくださいって言っているようなものだよ。

朝の鍛錬の時に、少し打ち合ったりしているが、ナナコは俺が本気出さなければ、全部避けるんだよ。

目が良いのかな?

クールに幼女が飛び回って、冷静にベイスの攻撃を避ける。


当たらない。そろそろ疲れて動きが止まるだろ。

30秒くらいたったか。

「くそぅ。ちょこまかと…」

あ、動き止めたら…。来るよ。ナナコの突きが。


「えぃ!」

だから、掛け声もかわいいんだって。

「ぐはぁ」

ベイスはお腹にナナコの突きを食らって、前屈みになり。

さっき飲んでたものを全部出して、

…汚ぇなぁ。

気を失っていた。


やはりナナコの急所を突く技術は天才的だな。みぞおちに一発。

あれ、キツいんだよなー。


「パパ。やったよ!」

「うん、良くやったな」

ベイス君には、悪いがナナコの笑顔が見れたんだから、君も少しは役に立ったよ。



ギルドを出たナナコの手には金色のカードがあった。

Aランク冒険者 ナナコ・リュオールの誕生である。

ランク認定には、ギルドマスターまで出てくる騒動だったが

「他ならぬ、貴方の推薦だ。」

と言って、金色のカードを貰うことができた。


薬草や素材の換金もできて、10万リルほどの金額がナナコのギルドカードに記録されている。

金貨やら銀貨を持ち運ばなくて良い、便利なシステムだ。

ギルドのない街では使えない場合が多いが、それでも換金所があれば問題ない。


俺のカードには、数え切れないほどの金額が入っているが…。


「ナナコ。そのお金どうする?」

「うーん。どうしよう。パパになにか、かってあげたいけど。」


お、天使再来じゃ。天使がおるぞ。


と言う訳で、ナナコのおごりで屋台のお菓子を食べています。

普通のスコーンみたいなお菓子なのに、

砂糖も控えめ(ケチって)で卵も薄くて(ケチって)普通よりビミョー・・・なのに。


美味しい。美味いよ。

「美味しいな。コレ」

「そうかなぁ。リゼママのお菓子のほうが美味しいよ」

それは、当たり前なんだが。


娘のお金で飲み食いする親父…。

ダメ男になった感じがたまらんね。


「あ、そうだ。アリスおねえちゃんにも、おれいしたいな」

ん、俺はお菓子で済ませておいて…。

天使…なのか?


あ、良いことの思いついた。

多分3人分で1万リルくらいでいけるはず。


「あそこ、行こうか」

指さしたのは、服なんかが売っているお店。

多分、あると思うんだが。


次の行き先は、ここから真西に向かうセンドル平原。

途中に湖があったはず。バカンスだよ。ふふふ。



その晩のお風呂は…。

家族風呂というか、貸し切り風呂があったので、ナナコと二人で入っていると。

親子の時間。ナナコを綺麗に洗ってあげたり、背中を流してもらったり、楽しいな。

めっちゃ楽しい。とか思っていたら


「待たせたの。宿に着いたらここじゃと聞いてな」

裸のアリスが入ってきた。えっと、上半身だけったけど見てしまった。目のやり場に…あれ、困らない。

「おぬしは失礼なヤツじゃが、こういうときは、良いかの」

「うん。3にんではいるの、たのしいよ」


俺は、そう、もはやリゼにしか興味がない男になってしまったようだ。

いや、アリスが単に、それじゃないだけかもしれんが。


でも、コレ、アリスの恋人のリチャードが見たら、殺されるかな…。



ナナコに、アリスとお風呂にはいったこと、リゼに口止めするべきなのだろうが、なんでー?って聞かれたら、上手く説明できん。

リゼにも殺されるかー。


正座と土下座の練習でもするか…。


いつの間にか5万字超えていました。

書くのも大変なんですが、読むのも、読者様の大切な時間を割いて頂いています。


楽しんで頂いていると信じて。


これからもよろしくです。

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