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魔王はおねえちゃん。


「ところで、どうしたんだよ?魔王ともあろうものが、こんなところへ護衛もつけず。」


「あの街が、大分完成してきたと報告があったから見にきたんじゃ。お主にも会いに来たんじゃが、不在だったんじゃ。すれ違ってしまったようでの。それに儂に護衛はいらんしの。」

確かに魔王だもんね。めちゃ強いんだよ。で、俺を追いかけていたと。


「そっか、あそこは国王(リチャード)と一緒に作っているんだっけ?」

聞くと、少し照れながら答えてくれた。


「おぉ。完成したらリッ君と、あそこに住むんじゃ。」

え?

リッ君てのは、リチャードだよな。国王(リチャード)魔王(アリス)があの街で一緒に住む?


なにかとても大きな試みで、動いているらしい。

国王と魔王が、市井に住むわけじゃないだろうし。



アリスに事情を説明する。ナナコの呪い、目的地のこと。

「ほうほう。ランツ伯爵に会ってから、王都へな…。」

「そうだよ。ナナコの呪いを解くために、旅するんだよ。」


「行き先も一緒じゃ。王都までは、一緒に行くぞよ」

「へっ、でも、歩いてゆっくり行くんだし」


話しているうちに俺の膝で、寝てしまっているナナコを見る。

「かまわんよ。魔界の統治は重臣どもでなんとかなるし。リッ君には、早く会いたかったけど…」

「先に行って、待っててくれてても良いんだよ。」

大好きな彼とイチャイチャしてるが良い!


「ん?儂が邪魔か?」

「いや、そういうわけでは…」

「なら、決まりじゃ。儂ももう寝ようとしよう。可愛い結界じゃが、十分じゃしな。」


「いやいや、テント狭いよ。大丈夫かな?それに…」

「大丈夫じゃ、儂なら、かさばらんじゃろ?」

小さな体。ナナコより一回り大きいくらい。確かに、嵩張らないといえば、そうなんだが。


婚約者のいる身としては、一応、女性と同衾するってのは…。

ぺちゃんこだから、問題はないけどね。


「それにの、リゼにもさっき会ってな、エイトと一緒に旅をすると、了解をとってある。」

「へっ?」

リゼとアリスは、以前から面識がある。

リゼも、アリスをおねえちゃんと呼んで慕っていたけど、もうリゼの方がおねえちゃんな感じだな!



「あんな若くて可愛い娘を毒牙にかけるとは…。エイト、おぬし…」

いや、まだ、その毒牙?かけてないよ。キスしただけだよ…。


「まぁ、よい。リゼも儂の胸元をみて、なぜか安心しておったし…。くっ!」

悔しそうなアリス。

「あー、そうなんだ。」


確かに、アリスは守備範囲外なのだけど…。

あれ、リゼには俺が、アレ好きなのバレてるの?

えー、恥ずかしいな。目線バレてたのかなぁ?


胸元を強調してアリスはいう。

「無いわけじゃぁ。無いんじゃけどな」

ん?どこ?と言う突っ込みはできず。

「………。」


そんな見かけ美少女な残念大魔王に向かって、俺は、何も言ってあげることができなかった。



3人で並んで寝る。

一人用のテントなんだが…。

二人でも、ナナコとだから問題ないと思ってたんだが。


思ったより狭くなかった…。


密着して、温かい。よく寝れそうだ。

二人の美少女と密着するものの、柔らかい感触はなく、俺の心は平穏そのものである。

リチャードには怒られるかもしれんが…。

何か2重のイミで。


「おぬし、思った以上に失礼なヤツじゃ!」

アリスがそう言って、背を向けて寝た。

ん?何のはなしだ。


「いやいや、何かあったら、リチャードが怒るだろ!」

「それは、まぁ、そうなんじゃが…。」

「それによ。リチャードは、それで良いって言ってんだろ!」


アリスが怒りつつも、照れているのが伝わってくる。

「それで良いって何じゃ!リッ君は、これが良いって言ってくれるんじゃ!」

「はぁ。」

「魔法とか薬とかでなんとかしようとしたら、そのままが良いって言ってくれるんじゃ!」

「あぁ」


リチャードの趣味は分かった。

でも、リチャードはん。それは、大きくなりたいアリスの願いを叶えられない呪いの言葉になるんじゃないかなぁ…。


もう寝よう。




次の日の朝。

朝食がわりにビスケットを頬張り、片付けて、出発した。

「パパ。これで良い?」

ナナコも手伝ってくれる。


ランツ伯爵のお城まで、歩いて半日というところ。


3人で歩く。

「アリスおねえちゃんは、まおうさんなの?」

ナナコがアリスとお話ししている。


「そうじゃよ。魔族の王様なんじゃよ!」

「じゃあ、えらいんだ?」

「まぁ、偉いというか、一応、魔王なんだけど。見た目こんなだしな。」

見た目は、まぁ、良いんだけど、魔族のおっちゃんら引き連れて、いろいろ大変だろうに、偉いと思うよ。


「アリスおねえちゃんは、おとなのひと?」

「こう見えても、大人なんじゃ。」

「でも、ママっいうより、おねえちゃんってかんじ」

「そっか。じゃあ、ナナコのお姉ちゃんになって良いかの?」

「うん。おねがい!」


「おい。じゃあよぉ、アリスは俺の娘になるのか?」

口を挟んでみた。見た目は、確かに娘と言っても、まあ良いかもしれんが。


「いやいや、それとこれは話が別じゃ!なんで儂がお主をパパと呼ばなきゃいかんのじゃ。」

「そうだよ。パパには、ななこだけだよー」


ん?よく分からんが、とにかく、ナナコに魔王なお姉ちゃんができました。



更新時のPVは少しずつ増えてきて、嬉しいです。


これからもナナコをよろしくです。




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