表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/79

魔王アリス

2章スタートです。



最初の目的地は、ランツ伯爵領だ。


ご馳走してくれるらしいし、あのシグリド君が気になる。


リゼに手を出さないよう、脅し…じゃなくて、良く言っておかないとだし。


俺達のトマール村から、東側が人族であるリチャードが納める国。


歩いて1日で、伯爵のお城につく予定だったのだが、冒頭?の薬草集めと、お花の髪飾りとかで、時間を食ってしまった。


まぁ、良い機会なので、野宿してみようと思う。

初日だし、何かあったら引き返せる。


晩御飯だが、

今日に関しては、リゼが作ってくれたお弁当がある。


お弁当渡してくれた時、

「伯爵領まで1日だよ?」

って言ったんだけど、

「いいから、持っていって。いらなくなれば、それで良いし。」


流石、俺の嫁。こうなることわかってたか…。

まだ嫁ではないが。


「リゼママのごはん。おいしい!」

ナナコも満足してる。

「そうだな。しばらくこの味ともお別れだし、味わって食うぞ。」

「うん。ざんねんだけど。」

ナナコが泣きそうになってる。


やっぱ、無理やりにでも、連れてきたら良かったかな。

…いや、リゼには、リゼのやるべき事が。


俺は、リゼの憧れのお兄さんでもあるのだから、俺のワガママで、リゼを連れてくるわけにはいかないよね。


「料理。上手くなるよ!」

「うん。ナナコもがんばる。」

笑顔を見せてくれる。


二人だけど、楽しい旅にはなりそうだ。

とか、思ってたんだけどね。



「結界を作ると、込めた魔力以下の生き物は、入ってこれなくなるんだ。」

ナナコに、結界の作り方を教える。


トマール村にある、俺に家の結界は、悪意のあるモノが入れない結界で、少し複雑。


今回のは、野宿のための簡易結界。

夜ぐっすり休むためのものだよね。


とはいえ、この辺はまだ俺の活動範囲なので、魔物も間引いてるし、危ないことはないだろう。


「ナナコ。やってみるか?」

何事も経験だよ。

「うん。やってみたい。」


実際、ナナコの魔力以上の存在は、この辺じゃあ俺とリゼくらいかな。


ナナコが、結界を作動させる。

「上手にできたな。ほらっ」

ちょうど結界の外から、虫が入ってこれないので、指差して見せてやり、頭をナデナデ。

「うん。」

ナナコの満足そうな笑顔。


そっか、このコは、なにかできたときに笑顔になるのだな。


俺は、単純にナナコの笑顔が見たいから、ナナコに色んな事を教えていこう。

決意を新たにした。



お弁当も食べて、お腹も満足。ナナコもおねむな感じだ。ナナコを寝かしつけようとしたときだった。


「ナナコ。わかるか?」

物凄い魔力が近づいてくる。

「うん。わかる。」


魔力感知得意じゃない俺たちでも、分かる強大な魔力。

ナナコが、緊張なのか固くなっているわかる。


でも、悪意は感じない。

「大丈夫だ。」

ナナコの頭に手をおく。

「うん。パパにけっかい、してもらったらよかった?」

「いや、そういう問題じゃないな。これは、俺でも無理だよ。」


その強大な魔力は、いともアッサリとナナコの結界をくぐり抜けてきた。


ライトの魔法で周囲は明るい。すぐに誰が入ってきたか解った。

「おぉ、なんと可愛い結界だと思ったら、可愛い娘がおるの!」

現れたのは、二つの角のある女性の魔族。

桃色の少し癖のある髪の毛。

人で言うと十才くらいの姿形のかわいらしい感じ。

でも、特に、残念なのは…。


「エイト。久しぶりじゃな。…相変わらず失礼なこと考えておるじゃろ?」

お、胸元に目がいっているのがバレたか。

「いやいや、久しぶり。アリス。」


目の前に現れたのは、ロリBB……。

じゃなくて、魔王アリス。こう見えても、年齢はけっこういっているらしいけど。


年はヒミツなんだって。


「おぉ、そっちの可愛い娘は?エイトも遂にそんな趣味に…。」

「いやいや、リチャードじゃあるまいし、娘だよ。娘のナナコ。」

「あの、ななこです。こんばんは。」

「こんばんは。アリスのおねえちゃんだよ!」


ん、口調がおかしい?おねえちゃん?

「アリスは、おねえちゃんかどうかは知らんが、俺の仲間だ。大丈夫だよ!」

「うん。アリスおねえちゃん。やさしいかんじする。」

「おねえちゃん呼び。良いなぁ。可愛い妹ができたようじゃ。」

うん。大きさは確かに姉妹くらいの感じだけど…。



「あとな、リッ君の名誉のために言っておくとだな、アイツはロリコンではないぞ」

「いや、でも、アリスとって」

非常に残念な胸元を見る。ナナコと同じだな。

「だからぁ、彼奴は、儂が好きなのであってだなぁ。」



聖騎士リチャードと魔道士アリスは、恋人同士だった。お互いの思いは、国王と魔王となった今でも変わらない。


聖女ミュールともはや何でも無い俺とは大違いだな。うらやましい限りである。

あ、でも、そのおかげで、可愛い婚約者ができたんだし。まぁ、それはそれで、良かった。


リゼもこの魔王と違ってちゃんとあるしね。


ちなみに聖女ミュールのは凄かったんだが、それはまた別の話…。





不定期更新ですが、続けますので、楽しんで頂けるとうれしいな。


ブクマ、評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ