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ナナコと勇者


手を繋いで歩く。


勇者として、世界を平和にした俺だけど、守るべきただ一人の存在。


俺の隣で歩く女の子。正確な年はわからないが、6才位で、黒い髪がキレイ。


結婚した訳じゃないし、俺の本当の子どもじゃない。


でも、いまの俺の願いは、この娘の幸せだけ。


「いそがないの?」

ナナコと名付けた少女が聞いてきた。

急げば、馬なんかより早く移動できる。

出来るだけ早く、この娘の呪いを解いてあげたい気持ちもある。


「そうだな。ナナコは急ぎたい?」

「んー。わからないけど。パパは?」


パパと呼ばれるのにも馴れた。最初は、くすぐったくて、不思議な気持ちだったのだけど。


「俺はね、ゆっくり歩いていこうと思ってる。」

「じゃあ、わたしも、あるいていくー。」

「そうだな。あ、あれ!」


道端に、薬草になる草が群生している。

花が咲いている草もあり、花は白くてキレイ。

「おはな。きれい。」

「うん。この草はね薬草にもなるんだよ。」

「やくそう?」

「うん。食べると元気になる。魔力もちょっと回復するかな。」

「じゃあ、やくそう。もっていく?」

「そうだな。少し摘んでいこうか。」

「はい。」

薬草の摘み方を教えながら二人で、薬草を摘む。

ちょこん。と座って薬草を積んでいくナナコ。

一度教えれば、理解する賢いナナコ。


何より、可愛い俺の娘だよ。


こうやって、いろんな事を教えながら旅をするつもり。


花を一つ摘んで、ナナコの頭に差してみた。

黒髪に白い花が咲いている。


なんだコレ。俺は、この可愛らしさを表現する術を知らない。


まぁ、ナナコなんだから仕方ない。


「なにー?」

「これ。かわいいだろ?」

ナナコのバックから手鏡を出して、ナナコに見せる。


旅に手鏡なんか、持っていく物じゃないけど。

ナナコは、女の子だ。


女の子には、必要なものらしい。

1ヶ月。ナナコはいろんな事を覚えたが、それ以上に俺は、女の子の事を覚えた。


身だしなみとか、髪の毛の括り方とか。

ちなみに、今、ナナコは、髪を後ろでくくっているが、一部分を三編みで編んでいる。

俺が、編んであげたんだ。


面倒ではある。でも、ナナコとお話ししながらの楽しくて幸せな時間。無駄じゃない。


だって、可愛いから。


「うん。いいかも。」

頭に咲いた花を見て、満足そうなナナコ。初めて会ったときに比べると、いろんな表情を見せてくれるようになった。

「こうやって、寄り道しながら、ゆっくり行こう。」

「うん。」


俺は、この娘の笑顔を守る。そう決意したんだ。



1ヶ月位前だったかな。

この娘は、暗殺者として、俺を消しに来たんだよな。


その日は、別に嵐だったわけでも、凄く天気が良かった訳でもなく、普通の、ごくありふれた日の夜の事だった。

最初に説明が多いと良くないかもと思い、一話目を入れ直しました。


この先も、読んでいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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