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第二十九話 魔王復活



『100年の眠りから魔王が覚める』


 これはラヘンディア……というよりは、イーザス大陸の伝承である。


 予言の全文は『復活した魔王は魂の番である悪しき女を求めるだろう。悪の女と心を通わせた魔王は絶大なる力を手に入れ、世界を恐怖と絶望で支配し君臨する。しかし、女神の加護を受けし聖女が悪しきものどもを愛の力で滅ぼし、世界を救うだろう』とかなり長い。



 ちょうどリディアンの誕生の年がそのあたりだったので、巷では『リディアン殿下が魔王』と噂されている。

 リディアンは否定も肯定もしないので、国王夫妻から国民に至るまでリディアンイコール魔王である。

 しかし、政治力はある上に仕事は速く、暮らし向きも文化度も爆上がりしたので、民衆は「魔王でもいいや」と開き直った。


 ときどき火竜(ドラ助と改名)が空を飛んでも

「ドラ助やポチ太郎のおかげで新鮮な魚が食べられるようになったなあ」

 とのんびりしたものである。


 なぜこの二匹のおかげかというと、運動不足で体に不調を感じた彼らが運送業に志願したからである。

 国民は伝説の魔獣が闊歩する生活にすっかり慣れた。


 なお、名づけはエレオノーラが行った。初めて火竜を見たエレオノーラはおっかなビックリだったが、リディアンに調教された火竜はとても利口で可愛かったのでエレオノーラは「ガルドフリムなんてセンスがないわ」と親切心で『ドラ助』と名前を付けた。

 火竜は泣きそうな顔をしたが、エレオノーラが無邪気に喜んでいるので文句を言わずその名前を受け取った。男前の竜である。



 このように平和ボケしたラヘンディア王国の東部、ファドード山の奥深くに魔物たちが集結していた。


「魔王様!! 復活おめでとうございます!!!」


 黒い玉座にふんぞり返る魔王の前にずらりと大小の魔物たちがひれ伏す。


 長き眠りから覚めた魔王が完全復活するまで月日が必要だった。すなわちリハビリである。

 朝晩のウォーキングに始まりストレッチ、筋トレ。規則正しい食生活(なお、主食は木の実である)。


 一昔前(100年前)は人里を襲っていたが、寝ている間に食の好みがすっかり変わってしまい、また眷属の魔物もその余波を受けてすっかり草食系になってしまった。


 周辺諸国から書物を取り寄せ、政治形態をまねて国を改良し、魔物の国を作り上げた。




 魔王軍は魔王を頂点とし、大幹部の悪魔が四匹いる。そのうちの一角をなすのが牛の化け物智将ベヘリモスである。おもに情報処理を担当する知能派である。


「ベヘリモスよ! そなたに任務を申し付ける!!」

 魔王の声にベヘリモスはずずいと前にでる。



「はは! ご指名頂けるとは光栄の極み。何なりとお申し付けください!!」



「予言者の言葉は覚えておるな? 『悪に染まりし女』が余の世界征服に欠かせん。草の根分けても探し出して余の前に連れてこい!!」


「ははー!!! 先陣をお任せいただけるとは光栄の極み! しかし、恐れながら申し上げます。聖女の力もあなどれません。そちらはいかがなさいますか」


「ふむ。たしかに聖女は脅威だな。よし、同時並行で捜索を頼むぞ!」


 ベヘリモスは頭を下げ、主君のために粉骨砕身する気でこぶしを握った。



 彼はさっそく、部下たちをほうぼう飛ばして捜索に当たらせた。


「ベヘリモス様!! 悪女と言っても種類が多すぎて絞り切れません!! 女盗賊、女泥棒、女詐欺師……」


「貴族の女に絞って捜索しろ。身分が高いほど魔力量が豊富で魔王様のお力になりえる!」


「ベヘリモス様! 聖女の捜索も難航しております! かつて聖女を名乗った女マーラという女を見つけましたが、自らの悪行を恥じて修道院の下働きとして働いています。げっそりやつれた姿からはオーラの欠片も感じません」


 リディアンの逆鱗に触れて以来、マーラは日々怯えて暮らしているのでその評価も妥当と言える。


「ふーむ。聖女を名乗る悪女の可能性もある。引き続き監視しろ!」


 ベヘリモスも魔物の国から出て人間にカムフラージュし、王都の安宿を借りて部下の報告を整理していた。いちいち魔物の国に持ってこさせるよりこちらの方が部下たちも楽だろうと考えてのことである。彼は優しい魔物だった。どこかの王太子とえらい違いである。


 捜索することおよそ半年。一人の部下がついに該当者を見つけ出した。

 魔物は人間の心に敏感である。世間では女神だと噂されるエレオノーラを一目見て「こいつの腹は真っ黒じゃないかっ! なんて恐ろしい。こんな女が王太子妃の座についているなんてさぞや悪辣な手段を使ったに違いない」

 魔物の部下は身震いしながらベヘリモスに報告した。



「おお! よくやったぞ。公爵令嬢なら魔力量も申し分ない。しかしまさか『慈悲深い女神』とよばれる人間が予言の悪女だとは思いもしなかったな。本当の悪人は善人の面をしているということか……! ご苦労だったなお前たち。後は俺がやるからすぐに帰国して家族を安心させてやれ!」

 ベヘリモスの言葉に部下たちは歓喜の声を上げ、苦楽を共にした同僚と抱き合って泣いた。


 魔物にとって人間の国は完全なるアウェイ。

 心細くなるのは当然である。やっと故郷に帰れると喜ぶ部下たちを見てベヘリモスは微笑んだ。


 これがつい昨日のことである。




 ところ変わってラヘンディア王宮。



 マデルによる日々のマッサージと彼女特製美容に特化したお茶のおかげでエレオノーラは心身ともに健康である。

 テラスでお茶会を楽しんでいたエレオノーラは空に暗雲が立ち込めたことに気付いた。



「ドラ助かしら? それにしても変ね?」

 エレオノーラが動じずに眺めていると、巨大な牛のような魔物が庭園に降りてきた。二本の角は太くて鋭く、発達した前足はまるで人間の腕のよう。

 二本の足で立つ彼はより大きく見えた。


 本来ならキャーキャー悲鳴を上げるところだが、ラヘンディアは魔獣が使役動物としてポピュラーである。火竜ですら国民に重宝される運送屋だ。


 エレオノーラはおろか、新米侍女ですら「新しいペットかしら?」と平然としている。


 予想外の反応にベヘリモスは動揺したが、気を取り直して口上を述べた。


『悪に身を染めし邪悪なる女よ。その魂をわが魔王復活に捧げよ』

 腹に響く声である。


 だが、エレオノーラは怯えるどころか歓喜に震えた。

 まるで恋をした少女のように顔を赤らめながら言う。


「あの、もう一度おっしゃって下さる?」


『悪に身を染めし邪悪なる女よ。その魂をわが魔王復活に捧げよ』

 素直に従うあたりベヘリモスの優しさがにじみ出ている。


 エレオノーラはベヘリモスの言葉にじーんと感動していた。



『邪悪なる女』



 なんと甘美な響きだろうか。


 エレオノーラは今まで浴びたどんな賛辞よりも、歓喜に震えた。

 

 しかし傍から見るとショックで震えているように見えるので、護衛騎士やまともな侍女は「ひどすぎます……! エレオノーラ様ほどお優しい方はおりませんのに!」とか「なんという暴言を吐くのか! エレオノーラ様は地上に降り立った女神と名高いのだぞ!」だとかとベヘリモスに非難が集中する。


 いきなり罵詈雑言を浴びせられてベヘリモスはうろたえるが、表情には出さずに言い返す。


「愚かな人間どもよ! そなたらはその女に騙されているのだ! その女の悪行は数知れず! 無辜の民を傷つけ、暗殺を計画し、人を陥れるのが生き甲斐の女なのだぞ!」


 ベヘリモスの言葉にエレオノーラは、「このひとだけはわたくしを理解している……!」と感激の涙を流した。


 なにしろ自分は自分が認める最高の悪役令嬢なのだ。今まで活躍の場がなく、なぜか周囲から「聖母エレオノーラ様!」と慈悲深い女と扱われて自分のアイデンティティを見失いかけていた。


 エレオノーラはそれなりに悪いことをしてきたがすべて意味がなく、なぜか慈悲深い女神と言われる始末。あれだけ努力してきたのに私の人生なんだったのとエレオノーラは人知れず悲嘆に暮れた。


 しかし、魔物がああ言ったことで、自分は紛れもなく悪女なのだと自信を取り戻せたのだ。


 ひそかにガッツポーズをするエレオノーラだが、彼女の体がフワっと浮いた。

 ベヘリモスが巨大な手のひらでエレオノーラを掬い上げたのである。


『我と共に来てもらうぞ悪に染まりし女よ!!』


「キャアアアー!!」

 さすがのエレオノーラもとっさのことでお嬢様らしい叫び声をあげた。

 いくら悪役令嬢装備(隠しナイフ、鉄扇)を身に着けているとはいえ、魔物に正面からぶつかるほど愚かではない。


 いつもならすぐにリディアンが駆け付けるところだが、残念ながらリディアンはルビガードル王国に出張中である。


「うそ……わたくしこのまま攫われてしまいますの?!」

 顔を青ざめるエレオノーラだが、救世主はすぐそこまで迫っていた。



『エレオノーラ様ああああ!!! 今お助けしますうー!!』

 唸り声とともに現れたのはドラ助である。

 運送中に不穏な気配を察知して駆けつけてきたのだ。



 ラヘンディアの人間にとってドラ助は愛すべきペットである。彼の出現に侍女や騎士たちは歓声で迎えた。


 逆にベヘリモスは鼻水と涙を垂らして目を見開いている。

『か、火竜……? 魔王様と同等の力を持つ古の魔獣……?!』


 

『汚らわしい魔物め! 慈悲深い女神エレオノーラ様を離せ!!』

 火竜はベヘリモスに唸る。



 圧倒的な劣勢であるが、ベヘリモスは屈しなかった。

 見るからに火竜は己よりも上位の存在だと悟ったが、ここで引くのは部下たちへの裏切りに等しい。

『ベヘリモス様! この女が該当者で間違いありません!俺たちが責任をもって推します!』

 疲れた顔で笑う部下の顔が浮かぶ。

 とおく故郷を離れ、精魂尽き果てるまで尽力してくれた部下たち。


 ベヘリモスの目に涙が浮かぶ。


『俺は嘘などいっていない! この女は邪悪な存在だ! 人を陥れ、傷つけ、今も虎視眈々と犠牲者を探している!その証拠に奴の生家にはあらゆる国の毒物や拷問器具がそろっているぞ!』


 だが、周囲の目は冷たかった。


『エレオノーラ様がそんなことするわけないだろう!! この方ほど勇気と優しさを併せ持つお方はいないんだぞ!!』

「そうですわそうですわ!! エレオノーラ様を侮辱するなんてひどいですわ!!」


 火竜が吠え侍女たちが詰る。


 真実を述べているのに嘘だと言われ、ベヘリモスの心はズタボロである。

 人間怖い。


 ベヘリモスは涙を流して訴えた。

『我は嘘などいっていない!! 本当だ信じてくれ!!』



『問答無用!!』

 火竜は吠えるがエレオノーラが邪魔で攻撃はできない。

 火力で言えば火竜の圧勝だが、エレオノーラに傷一つつけようものならリディアンから折檻されるのでどうしても慎重になる。



 待つこと数分。

 猛獣の唸り声が響き、黒い塊がこちらへ駆けてくる。

 その背にはリディアンが乗っており、恐ろしいスピードでベヘリモスに迫る。猛獣の正体は黒狼である。


「エレオノーラ、助けに来たよ」

 リディアンはエレオノーラを片手で掴むと長い足でベヘリモスの横っ面にケリを入れた。威力的には岩石を破壊するほどだが、強靭な魔物ゆえに土にめり込むだけで済んだ。


「ほお。なかなか硬い皮膚を持っているね」

 感心しながらリディアンはエレオノーラを立たせた。視線はベヘリモスに向けている。



『き、貴様……!! この国の王太子だな!? そこの女がどれほど悪辣で非道な人間か知っているのか?! こんな悪女が王妃になったらいずれこの国は終わるぞ!!』

 優しいベヘリモスなりの忠告である。



 ちなみに、この場にいる人間でベヘリモスの言葉が真実と理解しているのは三人だけ。


 まず、エレオノーラ。理解してもらって嬉しいが、悪事がばらされるのは困るという微妙な立ち位置にいる。悪事は好きだがギロチンや投獄は絶対に回避したいのである。わがままな女なのだ。


 次にリューナ。

 専属侍女なので色々知っている。


 

 最後はリディアンである。

 エレオノーラの家に何があるかなんてすべて掌握済みである。

 リディアンにしてみれば「それがどうした」といったところだ。もし裁判になってもリディアンはすべて論破できる自信がある。

 なにしろ公爵家にはデスティがいるので、『彼の私物です』と言えば全員が納得する。

 なにしろちまたでは『魔王のリディアン、死神のデスティ』と評判だからだ。


 リディアンはエレオノーラが必死に悪役を目指しているのが可愛くて仕方がない。デスティのような才能と素質がある悪党も好ましいが、才能がないのに必死で頑張るエレオノーラの姿勢はリディアンを惹きつけてやまない。


 それゆえリディアンは激高するのである。

 

「愛する女性を侮辱されて黙っていられるほど僕は優しくないんだ。さっさと去ね」



 リディアンは涙目で自分の正当性を唱えるベヘリモスめがけて魔術を放とうとしたがエレオノーラが止めた。

 なにしろベヘリモスはエレオノーラの唯一の理解者である。彼が消し炭になるのはミジンコ程度の良心が痛んだ。


「わたくしはまったく気にしておりませんから!どうか命だけは助けてあげてくださいませ!」


 エレオノーラの懇願にリディアンは愛しそうに目を細める。

「君がそう言うならいいよ。相変わらずエレオノーラは優しいね。でも、こんなことが二度と起こらないように少し魔王城に行ってくるよ」

 周囲の反応を待たず、リディアンは買い物にでも行く気軽さで火竜に乗り、びゅーんと飛び立っていった。久しぶりの戦闘なのでドラ助の気合いは十分である。




 魔王城では眠りから復活した魔王が玉座に座り、大勢の魔物たちから復活の祝辞を受けていた。轟き渡る魔物の歓声は大地を揺るがし、人間が見たならば恐怖で心の臓が止まってしまうだろう。


 そんな中、一人の魔物が恐怖に支配された顔でやってきた。



「魔王様! 火竜がものすごい速さでこちらに向かっています!迎撃しようにも火竜は魔王様に匹敵する強さ!我々ではどうにもなりません!」


 悲鳴のような声は彼の恐怖を物語って魔物たちはざわついた。魔王はそんな彼らに檄を飛ばした。



「うろたえるな。わしが復活したからには火竜など恐るるに足らず!丸焼きにしてやるわ」



「それは困るな。この火竜はドラ助と名付けてエレオノーラが可愛がっているんだ」


 話せないはずの火竜から声が響き、魔王は驚いて見上げた。すると火竜の上に人間の男が仁王立ちしているのが見えた。


 魔王は目を疑った。



「な、何者だ貴様! 火竜を従えるなど人間業じゃ……ぎゃっ!」


 魔王がセリフを言い終わらないうちに、リディアンは極大魔法をぶちかました。ちなみにこの極大魔法は禁呪中の禁呪で、扱えるのは人間じゃないといわれるくらい、威力も必要な魔力量もけた違いである。


 そして魔王にセリフを最後まで言わせてやれるほどリディアンは心が広くなかった。忙しいリディアンは魔物ごときと問答する時間も惜しいのである。


 だが、さすがに魔王ともなれば易易と倒れはしなかった。


 体中黒こげで立派な鬣がパンチパーマになろうとも、原形はとどめていた。羽虫を仕留め損ねた虫嫌いのごとくリディアンは舌打ちをする。




「手加減しすぎたか?それならこれで……」




「お待ちください!われら一同、あなた様のお力が十分身に沁みました!魔王などと思いあがって申し訳ありません!あなた様こそ魔王です!これからはあなた様の下僕となり、粉骨砕身の努力でお仕えする所存です!」


 魔王や大幹部が地面に頭を擦り付けてひれ伏してペコペコと謝る。異形の魔物たちが一斉に土下座をする光景はなかなかに迫力があるものでリディアンは楽しそうに笑う。



「へえ、なかなか理解が早いじゃないか。素直な子は好きだからね。いいよ、僕の下僕になるがいい」


 そして、魔王たちは『王太子直属魔物軍』という肩書を貰い、頑丈な体と怪力を生かして治水工事や土木工事などに従事した。国民のためにせっせと働く姿を見て、人間たちは差し入れやらを行って寝床などの面倒を見た。人間は優しい生き物だと理解した魔物たち(リディアンのトラウマで彼らの中で人間は恐怖の対象である)は、いつしか人間と仲良くなって国は発展した。


 王太子はやがて王となり、エレオノーラは王妃となった。

 戴冠式を終えた二人はテラスから体を寄せあって国を一望する。


「エレオノーラ、大好きだよ。僕の愛を永遠に君に捧げよう」


「嬉しいですわリディアン様!!」


 愛の誓いを二人が交わした瞬間、リディアンの目の前が真っ暗になった。

 そして無機質な冷たい声が脳内に響く。




『げーむくりあ。 オメデトウゴザイマス』





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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み返しててこの魔王パートが一番和みます…現実のつらいとき、「ドラ助」「ポチ太郎」を思い出すと笑顔になれます、ありがとうございます(エレオノーラ様のネーミングに)
[一言] 魔王をぶっ飛ばし部下にするリディアン様指すが魔王ですねぇ…と思わせての最後!!
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