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アルテミドラ編1

天地創造

原初の時、神は天と地を創造した。

神は言われた。

「光在れ」

かくして「光」があった。

神は光 Lischt と闇 Thenebra を分けられよしとされた。

神によって創造されし世界 エーリュシオン Eelysion は美しかった。


女子修道院

急に雨が降ってきたため、ディオドラ Diodora は洗濯物をしまいに行った。

雷雨だった。

雷の音が曇った空に響きわたる。

その時、ひとすじのいなずまがディオドラに当たった。 直撃だった。

彼女は倒れた。他の修道女が気づいてディオドラを助け出した。

彼女は修道院の中に運ばれた。


その日の夜、ディオドラの夢の中。

「おめでとう、祝福されし人」

声が聞こえた。

「あなたは雷の息子を身ごもりました」

声の主は、女性の天使だった。

「どうしてでしょう。私は男の人を知りませんのに……」

「私は天使レミエル Remiel 。

おめでとう、幸いなる人。これは良き知らせです」

そう告げるとレミエルは姿を消した。

やがて時が満ちるとディオドラは男の子を出産した。

生まれた子供は「セリオン Selion」 と名付けられた。

出産当時、ディオドラは15歳だった。

セリオンはディオドラの愛を一身に受けて育った。


熱線が放たれ周囲の岩を吹き飛ばした。

セリオン 20歳。 金色の髪に青い瞳。母ディオドラと同じだ。

成長したセリオンは、ドラゴンと戦っていた。

そのドラゴンは暴竜ファーブニル Faabnir 。

ファーブニルはその獰猛さによって、甚大な人的、物的被害をもたらしていた。

ファーブニルがその翼を広げる。

圧倒的な威容が迫りくる。

「やるな」

セリオンはつぶやいた。彼は恐れていない。

セリオンは剣を向けてファーブニルと対峙する。セリオンの剣は片刃の大剣だ。

今までいくたの戦いを共にしてきた愛剣だ。

その名は 神剣サンダルフォンSandalphon 。

15歳の誕生日に、天使スラオシャ Sraoscha から贈られた武器だ。

ファーブニルの姿は圧倒的な迫力に満ちている。

ファーブニルは再び熱線を吐き出した。

それをセリオンはかわす。

大地がはじけとんだ。

ファーブニルの熱線は地形を破壊するほどのすさまじい威力があり、直撃したらただではすまないであろう。

セリオンの体と剣から蒼い闘気が揺らめく。

それは「蒼気そうき」という。

セリオンは蒼気の刃で反撃した。

「くらえ!」

ファーブニルは大きなうなり声を上げる。

セリオンの攻撃はファーブニルに確実なダメージを与えていた。

「まだだ!」

セリオンは追撃していく。

ファーブニルはうめきながらのけぞった。

戦いはセリオンが押していた。

すると、ファーブニルは翼をはばたかせて上昇した。翼のはばたきによる風が巻き起こる。

ファーブニルはセリオンを狙って熱線を吐いた。

地面では大爆発が起きた。

セリオンは大きくジャンプしていた。セリオンのジャンプはファーブニルの高さを越えた。

セリオンの剣が雷を纏う。セリオンはファーブニルの頭を雷電で打ち付けた。

ファーブニルは大きな叫び声を上げて、地面に叩きつけられた。

雷の一撃がファーブニルを圧倒した。セリオンが着地する。

ファーブニルは、体を痙攣させた後に、息絶えた。

セリオンはファーブニルの断末魔を見届けた。



エーリュシオン

それがこの世界の名前である。

北の大地 都市ツヴェーデン Zweden

ツヴェーデンの中に「テンペル Tempel」がある。

ファーブニルを倒したセリオンは、テンペルに帰還した。

「あっ、お兄ちゃんだ!」

「お兄ちゃんが帰ってきた!」

帰還したセリオンに二人が近づく。

シエル Siel と ノエル Noel だ。

シエルは金髪の長いポニーテールで、ノエルはやや短めのポニーテールをしている。

共に修道服を着ていた。

「「お兄ちゃん!」」

「シエル、ノエル」

近づいてきた二人をセリオンは優しく抱きしめる。二人は12歳だった。

セリオンは竜殺しの英雄・ドラゴンスレイヤーとしてテンペルに帰還した。

「セリオン、帰ってきたんだ。ファーブニルを倒したんだな!」

アリオン Arion が言った。

アリオンは少し長い髪を、おさげで留めている。

「ああ」

セリオンはシエルとノエルの頭をなでながら、答えた。

アリオンは15歳。

アリオンはセリオンにとって、弟のような存在だった。

ファーブニルを倒したセリオンは凱旋で迎えられた。

「テンペル」とは組織の名前である。

テンペルは宗教軍事組織であり、兄弟姉妹からなる信仰共同体である。そして「聖堂騎士団」という軍事力を保有している。

セリオンはこのテンペルに所属していた。

彼は、テンペルの聖堂騎士団の戦士であり騎士でもある。


テンペルは「青い血」を重んじる。

青い血と赤い血。

青い血とは非血縁の者でも血縁と認める価値観である。

反対に、赤い血とは血縁の者のみのものである。

テンペルは青い血によって結ばれた家族である。

この青い血という価値観によって、非血縁者でも同じ兄弟姉妹になれるのだ。

それがシベリア人である。シベリア人のアイデンティティーはこの青い血にあり、父なる天と母なる大地によっている。

また、光と闇、風と土、炎と水、雷は「元素」と呼ばれている。

元素の中でも、光と闇はもっとも強く激しく対立する。

「セリオン、よくやった!」

アンシャル Anschar が言った。アンシャルは40歳。

長い金髪に白いコートを着用している。

「アンシャル」

「私はおまえを誇りに思う」

セリオンとアンシャルが抱擁する。

アンシャルはセリオンにとって父であり、兄でもあった。

アンシャルはセリオンの母ディオドラの兄でもある。

「ディオドラとはまだ会っていないな?」

「ああ、まだ会っていない」

「なら会いにいくといい。おまえのことをずいぶん心配していたぞ」

「わかった」

セリオンはテンペルの建物の中に入った。

その中は清浄さに満ちていた。

セリオンは礼拝堂に向かった。確信はなかったが、そこに母ディオドラがいると思った。

礼拝堂の扉を開ける。

そこには、修道服を着た一人の女性が祈りを捧げていた。

金髪の長い髪に、青い瞳をした女性だ。

「母さん」

セリオンは呼びかけた。

「ああ、セリオン!」

ディオドラは祈りをやめて、振り向き、セリオンに近づいてきた。抱擁を交わす。

「心配したのよ、本当に……でも無事でよかったわ」

「母さん……」

この時ディオドラは35歳だった。

「エスカローネちゃんとはもう会ったの?」

「いや、まだだ」

「それなら会いにいくといいわ。きっと一番あなたのことを心配していると思うから」

「ああ」

「あ、忘れてたわ」

「? 何が?」

「お帰りなさい」

「ああ、ただいま」

セリオンは照れ臭そうに答えた。

セリオンは礼拝堂を出て、テンペルの建物の奥に向かった。

そこに一人女性がいた。長い金の髪をした女性だ。

「エスカローネ Eskaroone!]

「セリオン!」

エスカローネはセリオンの姿を見つけると、駆け寄ってきた。

セリオンはエスカローネを抱きしめる。

セリオンはエスカローネを愛していた。

「心配した」

セリオンの腕の中で、エスカローネが言った。

「そんなに?」

「でも,セリオンならきっと勝って信じていたわ」

「ああ、勝った。俺はファーブニルを倒したんだ」

「セリオン、愛してる」

「俺も愛してる」

二人はキスを交わした。











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― 新着の感想 ―
[良い点] シリーズ化されていたのですね。 失礼しました。 壮大な物語の幕開けですね!
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