7 エルフと妖精
こちらの世界は確かに地球に比べて科学文明は遅れているんだけど、魔法があるため全く別の発展の仕方をしてる、この空飛ぶ円盤も妖精族の住居型乗り物だった。
反重力魔道高炉によって、東京ドームなみの建物を空中に浮かせ移動しながら、おそらく数千年いや数万年間生活をしてきたらしい、異世界おそるべし。
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「こんなことできるの妖精族だけよ」とエルフのンバーフ
「そうなんだ」と俺達
あまりのことに見上げたまま固まる。
「こうやって各地域をまわって、物資の運搬や交易の対価で、魔石を集めてるの」
ドラゴンやバンパイアなど、単体で空を飛ぶことができても、この世界最大のMPと魔力を持つ妖精族だけが魔力+魔石の力によって、反重力場を作り出して巨大な建造物を浮かせることができるらしい。
「俺達は乗せてもらえるのかな?」
「妖精族以外の生物が中で動くと、魔力と重量のバランスが崩れて墜落する恐れがあるから、乗せてもらえないのよね」
「残念だ乗りたかった。」
妖精族は5つの浮遊都市を持っていて、今回のは第三浮遊都市と何のひねりもない名前で呼ばれているらしい、妖精族自身では全く聞き取れないような名前で呼ばれているらしが、他の種族はこう呼ぶことにしたらしい。
妖精族がエルフの村に来たのは、水と魔石の補給さらにこの森林でとれる材木、育てている世界樹の実、調薬スキルで作られた各種ポーションなどを求め、代わりにエルフ族が求める塩や調味料などの食材を売るたであった。
この世界では大量の物資の移動は大変で、空を飛んで運べることはかなり便利なチート能力になるらしい。
ンバーフも今までに作っておいたポーションを塩や調味料や魚など、ここでは手に入らない食材と交換していく、今夜はごちそうらしいけど、棒である俺は食べられない、いや無理すれば他のロック達は食べられないこともないけど、俺達は特殊魔道生物らしいので、普通の食事はしても意味がないらしい。
そもそも味覚もないし、食欲もない、性欲も・・・ない、HPやMPが減ると睡眠は必要になるが両方とも満タンだと睡眠も必要なくなる、俺達は修行僧か。
でも生存本能にもとずく闘争本能なんかはあるから全く無欲でもない。
妖精族はこうやって亜人族たちの集落を回っているらしい、この世界には人間族、亜人族(または亜人種)、魔族がいるらしいが、それぞれ対立していて常に戦争状態らしく、妖精族の飛行都市がうっかり人間や魔族に近ずくと攻撃をうけるらしい。
「ドラゴンやワイバーンなどの飛行魔物生物の対策はどうしてるの?」とふと疑問に思ったことを聞いてみる。
「妖精族には隠蔽スキルや認識阻害魔法があるからほとんど見つからないわよ」とのこと。
たしかに取引を終えて飛行してすぐに、何となくどこに飛んで行ったのか分からなくなってしまった。