6 現状確認
俺たちに余裕ができたことで分かったことがあった、土属性のロックは金属アレルギーだ、さらに闇属性のリッチは草食系だ、そして水属性のジェルは泳げない、つまり、ロックは金属を触れず、リッチはバンパイアなのに吸血せず、ジェルは水に入れない、残念なチートスキル持ちだったとが判明した。
そして俺は、青虫や芋虫などがだめなのだ、蝶々やカブト虫など成虫なら全く平気なのだが、幼虫をまったくくけつけない、なのにトレントたちに昆虫が卵を産み付けに来る、しかもこの世界の虫はでかい、さらにここは大森林のど真ん中だ、気が付くとわっさわっさと・・・ぎゃー。
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こちらの世界には魔法とスキルがある、俺たちは何となく使ってきたけど、今までが適切だったのかと言われれば、全く自信がない、いろいろ探り探り行くしかない。
エルフの村に厄介になるからには、何か役に立たねばいけない、そのためにも俺たちがどんな能力があるのか見極めなくてはならない。
自称大賢者は、もともとお尋ね者のため、長老や村長が情報集めをしてくれる、「この森林付近に野放しにしておくとエルフ族としても、どんなとばっちりを受けるか心配だ」 なんだとか。
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エルフの女の子ンバーフの案内で森林に入る、マンドラゴラの採取を頼まれたからなのだが、一人で入ると危ないので護衛の役目もあるが、マンドラゴラは悲鳴と言われる超音波を出す、耳の良いエルフ族は特別に弱い、超音波は風魔法らしい、風魔法耐性が高い、石のロックとアンデット族のリッチがマンドラゴラを掘り出すためだ。
案内された先にあったのは木の根元にある草のような葉っぱだ。
木である俺や、水が主成分の生命体のジェルは風魔法の耐性が低いので、ンバーフと共にマンドラゴラの悲鳴が届かない、遠くから見守る、リッチがマンドラゴラを闇魔法で麻痺させて、二人で周りの土を掘っていく、自然薯堀と同じ要領で、触って傷つけないように、慎重に掘り進めていく。
掘り出されたのは、赤カブダイコンに目と口を付けた、人形のようにも見えるもの、これがマンドラゴラなのか、受け取ったンバーフは、容器に入れて村に帰っていく。
ンバーフによれば 「マンドラゴラは調薬スキルを使って、葉っぱの部分は、乾燥させて痛み止めの薬を作り、根の部分は煎じて麻酔薬にできる。」 なのだそうだ。
ンバーフは、長老から水魔法と調薬スキルを習っていて、オークに襲われた時も薬草を探して、つい村の近辺をはなれ、深く森林に入りすぎてしまった結果らしい。
ンバーフと村に戻ると、東京ドームみたいなでかいものが、空を飛びながら村の方へ、UFO、未確認飛行物体、空飛ぶ円盤といろんな言葉が浮かんできた。