5 ここから始めよう
エルフの長老曰く、こちらの世界の言葉がわかるのも、スキルや魔法が何となくとなく使いこなせたのは召喚されたときに、言葉やこちらの世界がある程度わかるように、召喚魔法に組み込んでいるかららしい。
確かにいきなり召喚されたら、言葉もわからないし、わけがわからず何をしでかすかわからないような奴がいるだろうし、安全装置のような仕掛け必要なんだろう。
こちらの世界に召喚されて、何とか生き残ってこれたのもどうやら召喚魔法にチュートリアルのような魔法が組み込まれていたかららしい、時々聞こえたお姉さんのアナウンスもその影響だったんだろう。
さらに長老に聞く、何故わざわざ異世界から召喚するのか、どうやら、それは違う環境に住んでいる生物がたまに別の環境でとんでもなくうまく適応することがある、いわゆる外来生物が異常繁殖する、ようするに魔法やスキルが存在しない別世界から呼び寄せた人間がたまに異常な力を発揮するかららしい。
つまり、空気が薄い高地などに住む民族が、平地でマラソン大会などに参加すると、好記録を出すことがあるようなものだ、逆に人間が深海に召喚されたら直ぐおぼれてしまい全く役立たずなんて可能性もあるわけだ。
ところで、俺たちはエルフの村にお世話になることができたのだが、4人とも中身は人間でも、見た目は魔物そのものだ、このまま出歩くと、魔物として討伐されてしまう、そこで表向きは、長老が召喚魔法の実験で呼び出した眷属の扱いにしてもらった。
これからの目的は、まずは自称大賢者のジープ・クロックを探し捕まえて、元の世界に帰る方法を聞き出す、ただし、もう元の人間には戻れない、かもしれないらしい。
異世界から召喚されたときメインの勇者は魔法でがっちり守られてたから人間のまま転移できたけど、俺たち巻き込まれたものは、中心から外れた位置で転移したので、異世界と異世界のはざまで、部分的に上位世界にさらされたため、こちらの世界に移転したときに分解、再構築されもう元の体の情報はなくなってしまった可能性が高いらしい。
その分、こちらの世界に格段に適合して能力が高いらしい、けど、俺の棒としての初めのステータスはひどかったんだけどね、なぜ。
棒のまま日本に戻っても、生活できない、でも日本に戻れないのと、戻れるけど戻らないとでは精神衛生上だいぶ違うと思うんだよね、ってことでみんなで、ここに生活の拠点を築いて日本に帰る方法をさがすことにした。
魔法だった発芽や成長はスキルに変更しました。