表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

プロローグ & 0 Once upon a time...

 プロローグ




 昔々、ある村に美しい青髪の魔女がいました。彼女は――え、長いって?

 まったく、しかたないなぁ……。

 じゃあ、前置きは飛ばすよ。メインになるのは、その子どもたちだからね。

 ん? 大丈夫なのかって? うん、平気平気、問題ないよ。

 記録の整理は得意なのさ。

 さて、ではじっくりとその話をしよう。哀しき人々のお話だ――。



       *



 とある王国、そこには二人の王子と一人の姫がいた。

 三人とも、整った王の顔立ちをキッチリと受け継いでいる。

 第一王子・ヘルハルトは容姿端麗、頭脳明晰とまさに理想的な王子だ。ふんわりとした金色の髪と緑色の瞳は、彼の高貴さと紳士らしさを漂わせていた。

 三子目の姫・レイラも美しい金髪と翠瞳を持ち、上品で優しい印象を与えている。

 そして、第二王子のフレディは最も目立つ存在であった。だが、理由はいい意味ではない。兄妹とは違う母親、生まれ育ち、髪の色……それらは、人々から蔑まれた。

「呪われた魔女の青髪」

「卑しい魔女の子」

 その言葉の数々は、一つ一つ丁寧に、残酷に、彼の胸に刺さって傷つけていった。

 ――ああ、つらい。なにもかも。癒やされる憩いの時間さえ、僕には与えられないのか。

 やがて彼は王宮から姿を消した。しかし、王国の日常は変わらず過ぎていく。



 それから一週間が経つと、ある噂が町に流れ始めた。

「北の山に漆黒の城ができたらしいぞ」

「あれは呪われた城だ」

「そんなのありえない」

「城の主は、両目の色が違うんだって」

「左目は真っ赤な悪魔の目だと」

 噂は様々な捉え方をされた。ある者は恐れ、ある者は興味を示さず、ある者は好奇心に駆られた。


 あの事件が起こるまでは……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ