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石油王ユダ氏の異世界漂流。  作者: ググりながら書いてます。
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石油王、現状確認す 一

 一時間ほどだろうか?運転席のシートに寝っ転がって痛みに悶えていた十三だったが、ようやく痛みも引いて状況が理解出来るようになった。


(やっぱここ無人島かよ!)


 十三に今与えられた情報はクルールーが知ってた範囲でのこの世界の知識。当然この島の状況に関してパーフェクトな情報だ。

 そうして得られた情報で十三はこの島が今や無人である事実も理由も理解した。


「参ったな。人がいないんじゃいくら石油王になっても大富豪になれないじゃないか」


 せっかく石油王になったというのに現金化出来ないと意味がない。


(とりあえず一旦さっきのスタンドに戻って状況確認だな)


 そう決めてシートを起こしエンジンをかける。


(少なくともガス欠の心配する必要がないのはありがたいな。こうなると元々望んでいた「石油王並みの資金力」よりも「人間油田」である現状の方が良かったのか?)


 勘違いなのか故意なのかは分からないが、クルールーに少し感謝しつつ十三はこれからのことを思う。

 先程の体験でノレイエの現状は把握した。あとはクルールーも知らないこと、十三とともにこの島に持ち込まれた物をチェックしようとガソリンスタンドに戻っている途中なのだ。


(この島には人間どころか動物もいないようだし、岩だらけで農地も森も一切無いんだよな。スタンドの売店になんかあれば良いんだが)


 と思いつつも食料の心配はそこまでしていない。

 あのホタテを食べてクルールーから知識を譲渡された十三は、知識の他にも譲渡されたものがあることを知っていたのだ。

 それは神であったクルールーの力。

 信者がいなくなりあとは減っていくだけの力ではあるが、それでもわずかばかり残っていた神力を十三は譲渡されていた。


 クルールーの神としての能力はいくつかあったのだが、そのうちの二つ。


 一、漂着物の持つ記憶を読み取り用途を理解する、一種のサイコメトリー。

 一、漂着物を漂着した状態から使用可能の状態にまで戻す、一種のリセット。


 この二つの能力を十三は受け継いでいた。

 そしてサイコメトリーが先程のホタテの正体だった。


 一、漂着物の記憶読み取る。

 二、その情報を刻んだホタテを具現化する。

 三、そのホタテを食べることで情報を身につける。


 という手順なのだ。

 つまりこの能力を使えばとりあえず食料が手に入るということでもある。


 だが、クルールーはいわば消滅した神。故に十三が無限にその力を行使することは叶わない。


「残り神力一〇八点か」


 クルールーから譲渡された能力を行使するには神力が必要で、


 サイコメトリーなら一回一点。

 リセットは対象が直径一メートルの球体に入れば一点。(オーバーするなら直径が一メートル伸びるごとに一点加算)


 消費する。


 例えば仮に戦艦大和が漂着していたとしても、使用可能状態にリセットするには二五〇点以上もの神力が必要となるので、今の十三にはリセット出来ない。


(食料目的でサイコメトリーだけに神力回したとしてもホタテ百八個か。すぐ無くなるな)


 どのみち神力は近い将来底をつく。そして森も農地もない岩だらけのこの小島では自給自足も不可能だ。だったら漂着物を漁り積極的にリセット能力を使用してこの島を脱出する方法を探るべきだと十三は考えている。


「あとはここになんかあれば良いんだけど」


 ガソリンスタンドに戻った十三はそう呟き愛車を降りた。

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