第八話 新聞対決
それぞれ協力者を連れてくることに成功した二人は、早速例の船を見てもらった。
「どうです。何か分かりましたか?」
「うーん、戦艦だと思うんだけど…」「あそこの大きさを測ってあれを見れば、だいたい分かると思いますよ。」
早苗が指差したのは船の主砲と掲げられている旗だ。
「日本の軍艦、それも戦艦なら外の世界でもあまり頻繁に新型が作れなかったので、主砲は当時の技術や情勢によって大きさがある程度分かれているんです。」
そういうと早苗は持っていた巻尺で計り始める。
「えーと……、大体41センチだからこれは長門型戦艦ですね。さすがに二隻のうちどちらか、というのは分かりませんけど。」
「すごいですね。すぐに分かるなんて。」
「いやあ、それほどでも。巨大ロボットとかについて調べるついでに軽く調べてたら意外に覚えちゃいまして。新聞はやっぱりこれについてですか?」
「ええ、そうです。ああそうだ。今ちょうど、はたてと号外勝負してまして、審査員は警備の白狼天狗の誰かと決めていたんですが、永琳さんに学級新聞といわれるほど、内で作って配っていますから、どうしても天狗だけの偏った評価になるんです。だからお二人にも審査員をやっていただき、もしよろしければアドバイスを頂きたいのですが、よろしいですか?」
「まあ情報収集になりそうなのでいいですよ。」「おもしろそうだしいいよ。」
「では締め切りまであと二時間半あるのでそれまでゆっくりしていてください。では。」
「ちょっと待って、文。あんたそんな時間で天狗以外にも見せられるまともな記事が書けるの?」
「書けないとやっていけないですよ。まあ異変が起きたという事を伝えるだけですからねえ。そこまで書き込まなくていいですし。ところでやっぱりやめます?勝負はあなたの不戦敗ということになりますけど。」
「やってやるわよ。さすがに戦わずに負けられないわ。待ってなさい、すぐ書いてみせるわ。」
二時間半後、疲れ果てた顔のはたてと余裕を残した文がそれぞれ原稿を三部ずつ持ってきた。
「では審査をお願いします。早苗さん、にとりさん、椛。」
「花果子念報からお願いするわ。」
読み始める三人、最初は面白そうに読んでいたがすぐに顔をしかめる。そして読むのをやめてしまった。
「ちょっとなんでよ?」「じゃあ文々。新聞の審査をお願いします。」
読み始める三人、ある程度内容を分かっているので花果子念報を読んだときほどではないが、それなりに面白そうに最後まで読む。
「では結果をお願いします。」「「「文々。新聞。」」」
「何でよ!!」
「まあ確かにこれだと当然の結果ですね。ちゃんと校正しました?誤字脱字が後半にたくさんありますよ。どんなに時間が足りなくて急いでいてもそれを出さないようにするのが新聞記者ですよ。」
「記事の内容を競う以前の問題だったってことね。普段からこういうことやってないからかあ。」
「まあ今回は私の勝ちということで。さてと号外も完成しましたし配りに行きますか。」
号外を持って山を出た文は命連寺や人間の里、博麗神社にも船が現れているのに気づいた。
「参りましたね。折角作った号外が無駄になります。仕方ない。人間の里に配って命連寺に取材しますか。もったいないけどどうせ紙はいくらでもありますから。」