第七話 河童の住処
妖怪の山のふもとにある玄武の沢。そこには大勢の河童が住んでいる。あるとき地獄の使者水鬼鬼神長が長く生き続けた仙人を地獄に連れて行くため幻想郷中の雨を集め檻を作り、閉じ込めるという荒技により住処を失った河童たちが山に住むようになるということがあったが、現在は戻ってきている。だがまた山に住むことになるかもしれない。ここにも船が現れ、河童の住処に近づけなくなってしまったのだ。姫海棠 はたてが着いたときは解体及び撤去作業を真っ只中だった。
「あの、取材しに来たんだけど………」
「見て分かってよ。今はみんな忙しいんだよ。おーい誰か他にロケット砲を開発しているやつはいない?今打ち込んだものより威力の高いので。」「チェーンソーはだめ。歯が全部ぼろぼろ。こんなに硬いと杭打ち機なんて使ったら壊れて大怪我しそうだ。」「いっそのこと爆薬を全体に仕掛けて吹き飛ばそう。じゃあ持ってくるね。」「家も吹きとぶからやめて!!」船を傷つけられないこととよっぽどの利益がない限りまとまることができない河童の性質のため作業はまったく進んでないが。
「最悪、こいつらの思考回路のある意味ですごいところが思いっきり出てるじゃない。これじゃあ私たちのところに来てもらうなんて無理!!……いや、むしろ来られたらとんでもないことになるか。参ったわね。締め切りが有るっていうのに。」
「あれっ、見かけない烏天狗様だね。取材とかで大抵の烏天狗様は名前も知っているんだけど、あなたは誰だい?」
「(私の新聞が人気が無いのって、私のことが知られていないっていうのも有るかも)姫海棠 はたてよ。そっちは?」
「河城 にとり、もうこれが有るって知ってるんだ。さすがは天狗様情報が早いね。」
「いや、あんたらが外の技術の解析とかしてるから、いろいろ聞こうと思ってきたのよ。早速だけど質問してもいいわよね?」
「いいよ。この船いろんなものの影響を受け付けない結界があるみたいで解析ができなくて暇だったし。」
「………そういうことが分かっているなら他の河童にも伝えなさいよ。」
「自分で言うのもなんだけど横から無理だといわれたりすると返ってやる気出すのが私たちだしねえ。」
「まあいいわ、ここにある船は何?」
「またあいまいな質問を…。突然現れたからよく分からない。船の種類はたぶん戦艦。でも今の外の世界では作っている場所は無い。でも新品そのものにしか見えない。結界が張ってあるのか傷一つ付けられない。そのせいで何で出来ているか断言できない。こんなところかな、私が言えるのは。」
「要はほとんど分かっていないってことね。そんなものどかそうとして大丈夫なの?」
「大丈夫なんじゃないの?今回は別に誰かを怒らせたってわけじゃないし。それより家に帰れなくて困っているんだ。はあ、また山暮らしかあ。サバイバルゲームはごたごたでできなくなったうえなぜか巫女に退治されかかったし。今度はどんなゲームをすればいいのかなあ。」
「あんたどかす気ないみたいね。まあ結界がある限り無理だし。ねえあんた暇みたいだし、私たちの里まで来てくれない?私たちの所にもあるのよ。こんな外の大きな船が。」
「へえ、そっちにもかあ。だから来たんだ。まあ確かに暇だし、いいよ、行こう。ところで守矢神社に行かなくていいの?巫女のほうは確かに不安だけど、山の神のほうは、技術革新の神になろうとしてるくらいだし、何か知っているかもしれないよ。」
「あっちは文が行っているわ。助かったわ、ようやくこれの新聞が書ける。」