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1にも書いたとおり登場人物の設定や行動についてご注意を頂きましたので文章を多々変更致しました。
「あー…やっぱり街はいいなあ…最近忙しくて来てなかったからねぇ…」
んんー…と背中を伸ばす。少し前までは普通に街に下りていたのだが、皇帝が来るとなってからは見回りの騎士が多くなかなか抜け出せれなかった。
「最近リリューナのいじめもひどいし…」
内容は決まっている。皇帝の前に出るな。姉様を見ると皇帝が不快に思う。などという意味がわからない手紙が毎日届けられる。
「だれも私なんか好きにならないと思うのだけど…」
だれもこんな地味な女好きにならないでしょ。『獅子王』がどんな趣味か知らないけど…
ひとりごとをぶつぶつと呟きながら街中を歩く。今は銀色の髪を紺色に魔法を使って変えている。いつもはその姿のまま街に出ているのだがさすがにいつ皇帝も耳に入るかわからない。私はいいのだがあとが怖いのだ。
なるべく顔を見られないように街をあるく。
「…あれ?」
街の中を歩いているとどうも見知らぬ魔力を感じる。街の周囲にはっている魔力を感知する結界が今まで感じた事のない魔力。
「魔術師か…数は…3人」
一応帝国と貿易をしているため感じた事のない魔力を感じるのは普通なのだが民が持っているような魔力ではなく鍛え上げた騎士のような魔力なのだ。殺意がこもっているような危険な感じの気配はしないし…
「まあ…皇帝が来るってなってるし危険な事がないように見て回ってるのかな?」
そうだろうと思いながら街のなかをぶらぶらする。
「なあ…この街全体に結界が張られてないか?」
黒いマントを着た濃緑の髪の男が隣を歩いている同じく黒いマントを着た群青の髪の男に話しかける。
「…そうか?」
「…確かに…でもこれだけの大きな街に結界を張るには魔術師が結構必要になる」
もう一人同じ黒いマントを着た茶色い髪の男が群青の髪の男になぜわからないというような眼を向けながら答える。
「この王国に魔術師がそんなにいただろうか…」
濃緑の髪の男が不思議そうに首を傾ける。
「まあいいじゃねえか。この事も報告するとしてはやく『銀月の姫君』についての情報集めて帰ろうぜ」
「そうだな…」
茶色い髪の男がうなずく。
『銀月の姫君』についての情報をさっさと集める為3人は今までより素早く動き始めたのだった。