4話目
何で後頭部強打になったのか。
俺はいつも来る医者に質問をした。
すると、どうだろう。
意外にもアッサリ教えて貰えたんだ。
去年の10月31日、ハロウィンの日に交通事故が起きた。
乗用車と大型トラックによる衝突、周囲の車も巻き込む大事故。
それにどうやら俺も巻き込まれたそうだ。
吹き飛ばされ、コンクリートの溝に頭から落ちた時に後頭部強打した。
そのまま俺は意識を失った。
病院に運び込ばれて、何とか一命を取り留めた。
それは、外傷があまりなかったからだろう。
目立つ外傷は勿論後頭部と、右頬、左腕だけだった。
それでも生きてるのも精一杯、いつ死んでも可笑しくなかった。
一生植物状態。
そんな可能性の中、俺はずっと意識不明の重大だった。
それから3ヶ月半、2月18日に俺は目覚めたって訳だ。
「君は奇跡の生還だよ。記憶をなくしてても命はなくさなかった。」
医者はそう言って笑った。
「だから、そのせっかく助かった命を大事にしなよ。」
ぽんぽん。
俺の頭を優しく叩いた。
「今から無くした過去の分、楽しい記憶を沢山作ればいい。」
その医者はさらにこんなことも言った。
「君の笑ってるところをまだ見たことがないな。これから沢山笑ってごらん。」
俺は教えてくれたのと、励ましてくれたのにお礼を言った。
そして、精神面のショックって何かも聞いた。
しかし、それは交通事故によるダメージだよっとうまく胡麻かされた。