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思い出  作者: 香川 尊
事故前の浪江町について
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十日市 (事故前)

十日市は、浪江町にとって一番おおきな行事でした。事故前の様子を記します。


 昔は、旧暦10月10日を中日としたことから、十日市と呼ばれています。いまは、11月ごろの金曜、土曜、日曜の期間で行います。駅前の目抜き通りを通行止めにして、歩行者天国のようにして出店を並べます。


 十日市は、子供にとってビックイベントです。祭りの貼り紙がお店に貼りだされるようになると大変意識します。浪江小学校では、十日町の初日の金曜日の授業はありませんでした。午前中は通常通り登校し、授業の時間で十日市の注意事項を先生からみっちり受けます。そのあと、午前中に帰ります。午後からは、大体の子は十日市に繰り出します。だいたい2日間は言っていた気がします。


 出店の種類はたくさんあり、被りもありました。記録では300店ほどと言われています。チョコバナナ、お面、くじ、焼きそば、わたあめ、大堀相馬焼、木、型抜き、射的、金魚すくい、スーパーボールすくい、りんご飴、数えたらきりがないです。


 チョコバナナが100円~200円の相場だったのは強く覚えています。仲間うちで、どこのチョコバナナが安くて大きいかの情報交換をしていました。くじ引きの相場が200円~300円くらいで、紐引きは毎年やっていた気がします。ひもを引っ張って、引っ張れたものをとれるくじです。子供心に、ずるはないと思っていました。


 仲間うちと行ったときは、よく型抜きに挑戦していました。ピンク色のでんぷん板に模様の溝が掘って有り、画鋲を用いて、その溝通りの模様にでんぷん板を抜き出すことができれば賞金を得ることができます。仲間内でワイワイやりながら行うのが楽しかったです。私は不器用だったので、一回も賞金を得ることができませんでした。仲間内で、頭は悪いけど、手先が器用な人がいて、300円を得ていたことは覚えています。


 でかいスーパーボール、レーザーポインター、ペーパーヨーヨー、吹き戻しなど十日市でしか出会えないおもちゃがたくさんありました。大抵1週間もしないうちに壊れていました。幼稚園の時に、十日市でとった金魚を育ててました。冬を越せずに亡くなりました。


 中学校では、十日市の金曜は通常授業でした。中学3年生時には、担任の先生は「十日市に行くやつは、受験失敗する。行っている余裕はないはずだ。」と脅してきました。ただ、クラスの半分くらいは、ちょっとだけ十日市に行っていた気がします。私もちょっとだけ行きました。

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