電気に求められるもの②
電気に求められることの続きです。電気そのものというより、【発電】に求められることになります。
④【エネルギーセキュリティ】が確保できるか
電気はサイゼリヤのドリアとは違います。電気がないと人は死にます。電気がないと、銀行振り込みはできない、スマホは使えない、病院で治療はできない・・・そんな世の中です。人が活動できないと国家が滅亡します。
そんな大事なものの原料(石油、石炭、天然ガス)を一国に依存したり、備蓄が少なかったりすると、国の安全保障が揺らぎます。他国からは、攻めれば勝てそうに見えます。外交では、依存している国の陣営に参加せざるを得なくなり、戦争に巻き込まれやすくなります。なので、エネルギー政策は民間だけではなく、国防、外交に影響を及ぼす大事な政策です。
エネルギーの安全保障を【エネルギーセキュリティ】と言います。電気を作る原料に求められることは、安さだけではないです。備蓄性がいいことも大事です。日本は島国ですので、海上封鎖【シーレーン封鎖】されても数年は生きていけるようにする必要があります。また、戦争が起きにくい安定した複数の国から買えることがあげられます。石油は、全国に石油備蓄基地があり6か月分貯蔵しています。
⑤海外からの輸入額を少なくできるか
電気を作るための発電装置、原料を海外からの輸入に頼ることになれば、貿易は赤字になります。例えば太陽光パネルは国産は珍しく、海外からの輸入に頼っています。石油はほぼすべてが輸入です。貿易赤字は円安の要因になります。円安になると、食品や安価なものを海外からの輸入に頼っている庶民がつらくなります。食べ物の値段が上がります。以前は、円安は製造業にとってプラスで望ましいこととされていましたが、国の構造が変わり、【成熟した債権国】となっている日本では、安すぎる円は避けたいです。逆に国産メーカ製のものを買うことや、運転員やメンテナンス人員は雇用にとってプラスです。
⑥環境破壊が少ないこと。
環境破壊が少ないと、自然環境を守ることができます。ただ、『環境破壊をしない発電所はない』ということは覚えておく必要があります。環境破壊の仕方は違いますが、発電所は、発電装置設置~操業~解体で必ず環境を破壊します。環境破壊する面積、環境破壊の場所、土壌汚染、生態系への影響、放射線汚染、発電所は各発電方法によって破壊の様子が異なります。
本当は、もっとあると思いますが思いつくのはこれくらいかなと思います。電気・発電に必要なことはある程度整理できたと思いますので、次からは原発の必要性について話す予定です。
ちなみにですが、2024年12月17日に、【第7次エネルギー基本計画(原案)】が出ました。そこでは、電気に求めれるものを【S+3E】と定義しています。【第7次エネルギー基本計画】には、私が書こうとしていることは大体乗っていました。なので正しい情報を知りたい方はそちらを読んだほうが良いです。(この章書く意味なかったな・・・と思っています。出る前に書き始めてしまったので最後まで書きます。)