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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「助ける」という言葉が嫌いな勇者様

作者: 政川 翠

勇者ってなんだろう

僕は転生者だ。前世の名前は冬季刹那だ、転生した世界はハッキリ言ってゴミだ。生まれ変わった先は聖女と剣王の間に生まれた子供で、将来は勇者としてこの世界を救うものとして期待されていたらしい。だが今は期待されていない。あんなことがあったからな、、、


18年前に僕は生まれた、才能はあった、沢山勉強した、期待されていた、6歳の時に僕は剣術を学んだ、王宮では1番強い存在だった、まだ6歳で。僕のスキルは物体を必ず切るというものだった。最強格のスキルと言われた、その時僕は小さいながら浮かれていたんだ。


16歳になった時、勇者として旅に出た。4人パーティーで北にいる魔王を倒す、という旅路であった。僕のスキルのおかげで難なく進めた。僕の、、、おかげでだ。仲間は頼りにならない。弱い、使えない、邪魔、消えちゃえばいいのに。


1年旅を続けて17歳になった。色んな人を助けた。色んな困り事を解決した。今となっては僕の評判はとてもいい。街の人から好かれている。魔王まであと少しだ。


魔王との戦いの時が来た。僕のスキルを使ってしまえばこの戦いを終わらせるのは簡単だ、でもそれじゃ面白くない。仲間に任せてみた、だが仲間が死ぬ時は一瞬だった。焦った僕はスキルを使った。でも魔王には物理的物体がなかった。僕のスキルは通用しない。その場から逃げ出した。生まれて初めてわかった。僕は心も身体も弱いのだと。


逃げるように来る日も来る日も1年間旅を続けてきた道を引き返した。街の人から魔王を倒したか聞かれる、僕はまた逃げた。ずいぶん早く故郷の王宮に戻れた。その時僕は18歳だった。街の人からは僕に怒りと殺意が向けられた、父も母も失望したらしく街から追放されてしまった。


僕は仲間を見捨て、スキルで浮かれ、魔王を倒せず、被害妄想、、、勇者は人を助けるのが仕事、助けられなかったら恨まれる、勇者なんて嫌いだ。でも「助ける」っていう言葉はもっと嫌いだ。自分の心の傷は助からないのだから、、、

助けても助けてもすぐ憎まれる。それが勇者なのか?

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