おっぱいホームズの事件簿 外伝03~情報思念集合体を召喚してしまった。もう、祓うしか~
夏のホラー2022参加作品「どうしよう、情報思念集合体を召喚してしまった。もう、祓うしか。」を、おっぱいホームズの外伝にしました。久々の、おっぱいホームズ視点です。
おっぱいホームズとワトソンは、大学生になってもくっついてるみたいですね。
我は、求め・・・訴えり。
ここは、山の中の国道。
おっぱいホームズである俺を乗せたワトソンの車は、スピードを出して疾走する。
「ホームズ、なんてことしてくれたのよ!」
「いやホラ、、、凛古風部長の冗談だと思ってたんだ」
「洒落になってないわ。情報思念集合体の召喚だなんて」
巨大な黒い影が車を追う。
車のラジオからは黒い影の声が流れる。
「少女・・・10代中頃が至上」
「普通、冗談だと思うだろう。 文豪:谷崎潤一郎の『痴人の愛』の本を魔法陣の中心にして、 ロリコンフィギュアを配列して呪文を唱えたら、こんな、こんなことになるなんて」
「そんな明治文学、知わないわ。カーブに入るから、しっかり掴んでて」
俺は、カーウィンドウ上部のグリップを全力で握る。
ワトソンのドライビングテクニックは、その格闘センスよろしく、すさまじい。
ギュルギュルとリヤタイヤが滑るものの、エンジンはさらに吠え、車はヨコ向きに進んでいる。
「しつこいわね。コレでも、ちぎれないの」
ワトソンがダウンヒルをドリフトで走り抜けたとしても、牛のような大きさの黒い影は追いかけて来る。
そして、直線コースに入ったのでワトソンに話しかける。
「『痴人の愛』ってのはね、数えで15歳、つまり14歳のウェイトレスに、高給取りのサラリーマンが恋する話だ。そして肉体関係になる」
「明治文学か何かしならいけどロリコン、キモいわね。くっ路面が悪いわ」
黒い影の情報思念集合体が、カーラジオから話しかける。
「ろ・・・ロリコン・キモイって言うなぁあああああ。紳士なんだぞ。」
叫び声がスピーカーから流れた。
「こいつら、話が通じる相手なのか?」
「ホームズは得意でしょう。貧乳好きとロリコンは親戚みたいなもんでしょ」
「確かに、ロリコンの情報思念集合体って言ってたな。つまりヒンヌー教を布教すればよいのか」
「知らないわよ、そんなの。次のカーブを曲がり終えたら、長いトンネルの直線だから。迎え撃てる?」
「わかった、やってみる。」
直進走行なら、遠心力で吹っ飛ばされることはない。たのむぞワトソン急ブレーキは踏まないでくれよ。そうして、俺は車のリヤハッチを開けた。
「臨 兵 闘
者 皆 陣
列 在 前!」
りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん。
臨める兵、闘う者、皆陣烈れて、前に在り。
九字護身法で、祓えるか……
「ウォオオオオン、悪霊扱いされた。
魅力もない成人女に興味を持たせるような国家は滅亡しろ」
やばいやばい、被害者ヅラしてきたよ。っていうか、どこのロリコン勢力だよオマイラ……
「くそっ・・・これならどうだ」
俺は再度、九字を切る。
「縞 班 脱
者 皆 若
娘 在 前!」
しまぱん だつしゃ かいじゃく にゃん ざいぜん。
縞パンを脱ぐ者は、皆、若い娘、前に在り。
そしてラジオが声を拾う。
「みくみくっウィッチーズ」
黒い影が小さくなった。
「ホームズ、今の効いてるんじゃない?」
「情報思念集合体の集合量が減ったか。次いってみる」
俺は次の九字護身法を唱える。
ヒンヌー教皇と呼ばれてきた俺自身の本気だ。
「貧 乳 少
女 皆 全
裸 在 前!」
ひんにゅう しょうじょ みな ぜんら ざいぜん。
貧乳少女が、皆全裸で、前に在り。
また、ラジオが声を拾う。
「ちっぱい、ぺろぺろ♪ハァハァ♪」
黒い影が、さらに小さくなった。
「やったじゃない。悪霊がほとんどいなくなったわ」
「よし、車を停めて、仕上げにかかるぞ」
「え?大丈夫?」
人気の全くないところに車を停め、俺とワトソンは車から降りて、野球ボールくらいの大きさになった、情報思念集合体の前に立つ。
「さて、ワトソン。こいつ等の為に、少し脱いでくれるか?」
「仕方ないわね。わかったわ、人もいないし」
ワトソンの胸が露わになる。
「見とけ、お前ら」
俺は、情報思念集合体に叫んだ後、両手でワトソンの胸から髪の毛を払った。
「お、男の娘ォォォオオオオ」
少し離れた車のスピーカーから声が聞こえた。
そして、ワトソンからプチッという音が聞こえたきがする。
「私は、女だぁああああああ」
ワトソンは、怒りの正拳突きと回し蹴りを悪霊に叩き込む。
トゴっ、ボコっ、バキィイイイ、ゲシ、ゲシ。
最後の黒い塊は消滅した。破砕音が聞こえるのは不思議だ。
なんだろう、ワトソンの攻撃は霊魂をも消滅させるらしい。
「貧乳」を超えて「神乳」に至ったとでもいうのか。
「ふぅ、これで邪魔されずに二人で過ごせるな。ワトソン」
「だいたい、凛古風元部長の話を冗談と思って試したのがダメだわ。ロクな事にならないのは、いつものことでしょう」
「ああ、すまなかった。あの人の話はロクなもんじゃない」
(おしまい)
ロクなもんじゃない、凛古風の小説を読んで下さり、ありがとうございました。
おっと、リンコフ試作二号機ですね。失礼。
それと、ロリコンの方、『痴人の愛』オススメですよ。ほら、名作がコレなんだもん、御自身の正当化にどうぞ。でも、捕まらないでくださいね。文学表現は自由ですけど。