青春のはじまり
春、桜が咲き乱れる春。
俺、後藤皐月は今日この青葉高校の生徒となる。
高校こそ友達を作って、なんなら彼女とかもできちゃったりして?
普通の学生生活を送りたい。
中学はもう、さんざんだった。
俺はいわゆる【空気】というやつで友達はできなかった。バレンタインだってクラスの女子たちがくれた義理チョコ、俺のぶんだけなかった。
目立ちたいわけではない、むしろ目立つのは苦手だ。
普通に、普通に学生生活を楽しみたい。
そんな思いで、俺は1年3組の扉を開けた。
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(よし、黒板に張っているあの紙に、席場所が書いてあるんだな…)
「は?」
つい、声が漏れた。
ない。ないないない。俺の名前がない。
教室の外に出て確認する。
「やっぱりあってるよな。1年3組。」
もういちど黒板の紙を見てみる。
「ん?」
出席番号10番 郷司皐月
ごうし?んんんん?
「どうしたの?席、座らないの?」
黒板の前で立ち尽くしていると、なんやら先生らしき人に声をかけられた
髪の毛はブロンド。タイトめなスカートにヒール。いいのか、それで…学校の先生。
「いや、あの…俺の席がなくて。」
先生が来たということはつまり、SHRが始まる。みんながこっちを見ている、最悪なスタートだ。
「あの、空いている席があなたのでしょう?」
そういって先生は空いている席をゆびさした。
「あ、はい、そうですね…。」
俺は恥ずかしさのあまり名前が違うことを言えずに逃げるよう席に着いた。
初投稿です。これから更新がんばります