12 もっと甘えなさい!
甘えていいんよ?
「ふぁ・・・流石に辛くなってきた」
老人の体ってやつはどうしてこう脆いのだろうか・・・夜は早くに眠くなるし仕事に支障が出やすい。リリィを寝かしつけてからの時間を書類仕事に回してるが・・・本当にもう少し若くなりたいものだ。せめて中年がいい。
「そういえば・・・エミリア大丈夫かな?」
屋敷に来て数日。今のところエミリア用に用意した部屋で寝てるけど・・・どうにも心配性でいけないね。あの子本人は1人で寝れると言ってたけど・・・あの子の生い立ちと性格を考えると不安になってしまう。
そう、本当に息抜きのつもりだったんだ。軽くエミリアの部屋に様子を見に行くと・・・俺は何やらベットでうなされているエミリアを発見してしまった。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
涙を流して寝言を言うエミリア。俺はそっとエミリアを抱きしめて言った。
「大丈夫。謝る必要はないよ」
「ぅん・・・グローリーさま・・・?」
「起こしてしまってすまなかったね。気分はどうだい?」
「大丈夫・・・」
何とか笑みを浮かべるエミリア。その様子に俺は自分の愚かさを呪いながらエミリアの頭を撫でて言った。
「エミリア。強がったり無理はしなくていい。もっと私に甘えなさい」
「でも・・・」
「もうお前は私の大切な家族だ。だから遠慮はしなくていい」
「・・・私、忌み子だよ?どうしてそんなに優しいの・・・?」
どうしてか。そうだな・・・
「子供を守るのは大人の役目。まあ、それにエミリアみたいな可愛い女の子を守るが男の務めだからね」
その言葉に少しだけ頬を赤く染めるエミリア。その様子はなんとも可愛らしいが俺は優しくエミリアを抱きしめて言った。
「辛かったら言いなさい。我慢せずに何でも。私はお前を必ず助けるから。だから・・・お前はもっと本音を言いなさい」
その言葉にしばらく黙り込んでから・・・エミリアはポツリと聞いてきた。
「いつも嫌な夢をみるの・・・怖いの・・・」
「うん。なら私がその夢を消してみせよう」
「・・・出来るの?」
「ああ。こうしてお前の側にずっといて抱きしめてあげるよ」
「・・・ありがとう」
涙を流すエミリアの背中をしばらくぽんぽんっとしているとやがて静かな寝息が聞こえてきた。俺はゆっくりとエミリアをお姫様抱っこ・・・こぉぉぉお!腰がぁ!い、いや、我慢よグローリー。貴方は我慢の出来る子・・・!
そうして腰の破壊音を聞きながら自室へお持ち帰り・・・は言い方に語弊があるか。俺の寝室にはリリィが寝てるから2人を抱きしめられるように中央に陣取って安らかに眠る2人を見守るのだった。
にしても・・・俺もまだまだだねぇ。子供強がり一つ見抜けないなんて。リリィもエミリアもまだまだ寂しいのだろう。その寂しさは俺が埋めてあげねばね。
さて・・・俺もいい加減眠いし寝るとするか・・・
その日からエミリアとも一緒に寝るようになったのだが・・・起きると何故か2人が両側からガッチリホールドしてるという状況が当たり前になったのだった。うん、何故だろう・・・




