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2.辺境の街へ向けて

 村を出て地図を見ながら歩くこと数時間。気づけば太陽が真上より少し傾いていた。


 「もう昼を過ぎていたか。どこかご飯を食べるのに良さそうな場所はないかな」


 僕は、そう呟きながら周りを確認すると少し先に道からちょっと外れた草原に休憩にちょうど良さそうな岩があるのを見つけ、そこに早足で向かった。

 岩につくと父さんからもらった鞄の中を確認して弁当を出して食べ始めた。弁当は村で採れた野菜を挟んだサンドイッチだった。また別の弁当には狩人が狩った魔物の肉が挟んであったりとバラエティー豊富で中身が一緒の弁当はなかった。

 サンドイッチは数個が一緒になって布で包まれていてそれが全部で10あった。


 「1日3食だと3日と少し、1日2食だと5日って所か。母さん無理してないよな……嬉しいけど。いただきます」


 日本にいた時にしていたようにご飯を食べる前に挨拶してから母さんが頑張ったと一目でわかる弁当を食べた。

 

 「ごちそうさまでした」


 食後の挨拶をしてサンドイッチを包んでいた布を畳んで鞄に入れた。時間が止まっているから出来ることである。

 その後は今後の予定を地図を見ながら考える。


 (う~ん、僕に錬金術を教えてくれた人は道なりに行けば1週間、途中の森を突っ切れば3日は短縮出来るって言ってたけどそれってどれくらいの速さで向かった場合だろ?普通に歩いた場合かな?)


 実はハルトに錬金術を教えていた男性は、ハルトと会う機会がほとんどなくどれくらい速く移動出来るのかを知らなかった。ましてハルトと最後に会ったのがまだ10歳ちょいの時、その後の訓練内容を知らなかったのだ。その為ハルトが村を出る時に言った日数は男性が普通に歩いて掛かる日数を言ってたのだ。さらに、ハルトが産まれる前から村と街を行き来してたのはこの人だけなので他の人もハルトでもそれくらい掛かるのかと思っていた。


(考えてもわからないし行けるなら最短距離がいいよね。まずは、森の近くに村があるからのこまで運動がてら走るか)


 そうして、本当なら数日かかる距離をわずか数時間でたどり着き、村に着いた。

 村で1泊した次の日、今度は近道だと教えられた森を走っていた。途中で魔物や動物とも遭遇するが全て無視して走り続けることほぼ1日、辺りが夕日が沈んで暗くなり始めた頃やっと森を抜けた。

 地図を見るともう少し先に村があったので、まずはそこで休もうと決めた。


 村で休んだ次の日、なんと、この村が辺境の街に一番近い村だった。


 (ここが辺境の街に一番近い村だったのか。じゃあ街までもうすぐと。どんなところか楽しみだな)


 どんな街かワクワクしながらひたすら道を走っていると。だんだん人通りも増えてきた。

 そして、少し高い丘を登ると城壁に囲まれた大きな街が視界に入った。まだ距離はあるが、それでも分かるぐらい人の出入りが頻繁だ。

 それでも街が見えて安心したので太陽の位置を確認してご飯を食べた。

 


 

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