5.村の人達
あれから更に2年がたった。その間に村に住む人達と話したりしたけど
『此処に住んでる人達おかしいだろ!』
そう思わずにはいられなかった。
なぜかと言うと、まず父さんに言われた薬屋のババ様に会って話したんだけど薬草は無くなれば自分で森に入って採集してくるらしい。
更にその途中で薬の材料に出来る魔物も探して倒して持って帰って来てたんだ。
……ババ様1人で
その他にも、猟師達は必ず全ての村人達に行き渡るように魔物を狩って来たり。鍛冶屋のおじさんも鉄などの鉱石を必ず自分で採って来るんだ。村には小さいながらも畑もあり、そこで作業している人達は全員魔法を使える。それも上級魔法まで。
そのおかげで、この村には商人は来ず全て自給自足の生活をしている。
どう考えてもこれがこの世界の普通の村な訳がない。
それが僕が村の人達と話していて思ったことだった。
ちなみに僕が住んでるこの村は、《ハタの村》又の名を《最果ての村》と言い。この村の後ろに広がる森を《終の森》と言うらしい。
何故、《終の森》なのかと言うと、この森実は遥か昔からあり世界一の広大な広さを誇る森らしい。
そのためこの森は他にもいくつかの国とも接している。だが全ての国に共通なのが
この森の外周はそれほどでもないが奥に行くにつれ強い魔物が跋扈していること。
それらを抜けても途中から結界があること。
1度でもその結界の奥に行った者達は誰一人帰って来てないこと。
この森の奥に入ればいろいろと終わってしまうからこの名になった。
らしい。何故らしいかというとこれは全部両親や村の人から聞いたことだからだ。
だから、この森にはほとんど人は入らない。冒険者の人でも避けるような場所なのだ。
そんな誰も近づきたくない森、そのすぐ近くにある村は僕が住んでるこのハタの村だけらしい。他の国にすら森の近くに街はおろか村すらないのだ。
この国の人ですらハタの村を知っている人は少ない。ましてや正確な村の場所まで知っている人は極一握りの者達だけだ。
「ハルトも今日で5歳になったな」
そうやって僕が村の広場で休んでいると父さんが来て話しかけられた。
「うん、今日で5歳になったよ。父さんあの時の約束覚えてる?」
「勿論覚えてるぞ。それじゃあ今日は疲れてるだろうから明日から訓練するか」
「わかった」
そうして、翌日から冒険者になるために訓練の日々を送った。
この村に子供は僕1人なので村人達は僕が冒険者として旅に出たいと思ってることを全員知っている。なので僕が旅に出ても困らないように自分達が教えられることは全部教えようと思っていた。
その結界、父さんからは剣の扱い方と冒険者としての心構え、母さんからは世間の常識と物の価値、後は元商人としての知識、ババ様からは各種薬とポーションの材料と作り方、鍛冶屋のおじさんからは鍛治全般、農夫からは様々な魔法を、猟師からは弓の使い方と解体の仕方等を教えてもらった。
村の人達から様々なことを教えてもらっている内にあっという間に年月は立ち遂に旅立ちの時が来た。