プロローグ
「うっ、ここは?確か俺は仕事が終わって帰っていたはずだが…」
目を開けると、そこは白く何もない空間だった。上下左右、天井もなければ床もない、壁もない。ただどこまでも白く足元には霧?ぽいのが足首の辺りまであるだけだ。それでも、立ってるというよりは浮いているように感じる。
俺は周囲を確認していると、いきなり目の前が光出した。光が収まると、そこには白い髪を背中まで伸ばし、また口が隠れ、足元まで伸びる白い髭をした優しそうな顔のお爺さんが立っていた。
「ほっほっほっ、びっくりさせてすまんな。」
俺は、何もないこの空間と目の前に突然現れたお爺さんを見て思った。
<あ~俺、死んだんだな…そして、目の前にいるお爺さんは神様、なんだな…>
「如何にも、ワシは創造神、神様じゃよ。ちなみに心も読めるよ。ほっほっほっ」
「やっぱり、そうなんですね。それで、俺はこの後天国へ?それとも地獄へ?」
「いや、そのどちらでもないぞ。君には別の世界、君の居たところで言うところの異世界転生をしてもらいたい。」
「異世界転生!?それは、本当ですか!もしかして剣や魔法がある?そして、魔王や勇者がいる?」
「本当じゃ。もちろん、剣や魔法もあるのう。魔王や勇者はおらんから安心してよいぞ。ただ、文明は地球よりも劣っとる。そして、その世界には、他に転生者や転移者はおらん。今後も送るつもりはないのう。つまり、その世界において、転生者は君1人だけじゃ。文明が劣っとるから、地球のようなおもちゃや娯楽品はなく、便利な道具等もあるかわからん。君にはその世界で自由に生きて欲しいのじゃ。」
「う~ん。それって地球の知識を使ってその世界を発展させて欲しいということですか?」
「いや、そういうことではないから安心して良い。何より急激な発展はいいことにならんからな。ただ、簡単なおもちゃ等は作って欲しいのう。」
確かに、急に発展して争いが多くなったり、賄賂や横領問題、スパイに破壊活動など、前の世界でもいろいろな問題があったな……最近では、ネット環境が充実してきたせいでサイバーテロが起きているとも聞いたことがあるし。それに比べれば子どもから大人まで遊べるおもちゃなんてなんと可愛いことか。簡単なところでは、ボードゲームかな種類が多くルールが簡単でわかりやすいだろう。
「わかりました。娯楽品は向こうの世界にいってから考えます。」
「うむ、それで良い。1番は君が自由に生きることだからな。ほっほっほ」
「はい!ありがとうございます。」
「最後にな、今から行く世界じゃが、HP.MPなどを知ることができるステータスというのは無いんじゃよ。」
「えっ、ステータスは無いんですか?」
「そうじゃ、その代わりスキルと言う物がある。これは、生まれながら持っておるものもいるが、練習すれば誰でも覚えることはできる。魔法も同様じゃ、練習すれば誰でも覚えることはできる。ただ、今から行く世界には、エルフやドワーフ、獸人、魔族などその個体しか使えないスキルもある。そういうスキルは固有スキルと呼ばれておる。君にも、その固有スキルを与えよう。名前は、『無限の才能』と『無限の成長』じゃ使い方は向こうにいってから自分で確認して欲しい。」
「何から何までありがとうございます!固有スキルは向こうに着いたら自分で確認してみます。」
「うむ、新しい人生じゃ、良き親の元で生まれるように此方で調整しよう。そろそろ時間じゃな、それではな、これからの人生は君のものじゃ。君のしたいことをし、過ごしたいように過ごすとよい。ワシは見守っとるよ。」
「はい!次は後悔しないように過ごしたいと思います!」
「ではな、君のこれからの人生に幸あらんことを。」
目の前の神様がそういうと急に眠くなり、目の前が真っ暗になった。
意識がなくなる直前に神様の笑い声が聞こえたきがした。
……ほっほっほっほっほっほ